「読解力」を身につけるには?教科書やテストの文章を正しく理解する方法

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「読解力」を身につけるには?教科書やテストの文章を正しく理解する方法

小中高豆知識 2021.06.01

国語のテストのときに、問題文を何度も読み返していませんか? 読めているのに意味が頭に入ってこない……それは読めていないのと同じです。英語と同じように文章を読解する力はトレーニングをしないと養われません。読解力を向上させるにはどのようにしたらいいのか・向上したらどんなメリットがあるのかをまとめます。

読解力とは文章を正しく理解できる力・考えられる力

読解力とは文章を正しく理解できる力・考えられる力

読解力とは、文章を正しく理解できる力・考えられる力を意味します。OECD(経済協力開発機構)が実施する生徒の学習到達度調査(PISA)においては、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」(引用:OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント|国立教育政策研究所)と定義されています。

実はPISAにおいて、日本の子どもたちの読解力が低下しているとの結果が出ました。PISAは2000年から3年に一度実施されていますが、過去最高順位を記録した2012年調査では4位、2015年は8位、2018年は15位と順位を下げています。パソコンによる出題・解答に不慣れな点や日本では選択式が多いがために記述式の問題に慣れていない点など、結果が思わしくなかったのはそもそもの読解力よりも出題・解答方法とのミスマッチだとの意見もありました。PISAの結果はともかく、読解力の低下を危惧する意見は長く聞かれているテーマではないでしょうか。

インターネットの普及によって本を読んだり文章を書いたりする機会が以前より減ったと感じる人も多いでしょう。文章との触れ合いの減少によって、語彙力の貧弱さを嘆く大人もいます。SNSをみるとあちこちで炎上騒ぎが起こっていますが、本意を伝えきれない・文脈を汲み取れない、つまり読解力不足のせいかもしれません。

読解力は社会に出てから仕事をする上でも役立つ

読解力は社会に出てから仕事をする上でも役立つ

学校の勉強に限らず、読解力は社会に出てからも必要とされる能力です。人とコミュニケーションをとるとき・メディアの発信から情報の意味を判断するとき・ビジネスで契約書を締結するときなど、読解力を求められる場面を挙げ出せばキリがありません。くわえて学生がテストの問題文を読み解くときにも「読解力」が必要なのは言うまでもないでしょう。

ただしエビデンスを基にして主張・反論・交渉を行うための実用的な文章読解力が社会に出てからは求められるため、学校教育で必要とされる読解力とは少し違うとの指摘もされます。学校教育では、たくさんの語彙や言い回しに触れながら書かれた文化的背景まで話を広げて学術的なアプローチで文章と触れ合います。自分の主張をもって相手を論破・懐柔するためではなく、相手の主張を理解するための力といってもいいかもしれません。

読解力を身につけるには、言葉を覚える・丁寧に読む・自分で書く!

読解力を身につけるには、言葉を覚える・丁寧に読む・自分で書く!

英語を上達させるのと同じように、日本語であっても読解力を上げるためにはトレーニングが必要です。方法をまとめてみました。参考にしてみてください。

語彙を増やす
言葉の意味を知らなければ、文章にこめられたメッセージを汲み取れるわけがありません。とくに大学入試などで出る評論などには、学生が普段から使わないような言葉や読み方だけ知っていて意味を理解できていない可能性が高い言葉がキーワードとして選ばれる可能性があります。たとえば「アイデンティティ」や「イデオロギー」のようなカタカナ言葉、「具体/抽象・形而上/形而下・主体/客体・概念/観念」などの、読めはするが意味を聞かれると分からないような言葉は要チェックです。出会ったら意味を調べる癖を日頃からつけましょう。

一文ずつ丁寧に読む
新しい言葉に出会うために本を読みましょう。読むのが苦手な人は、最初は短めの文章や薄い本から手に取ってみてください。また読解力が低い人のなかには単語を追っているだけで読み飛ばしや斜め読みをしている人がいます。読み飛ばし・斜め読みの癖がついている人は、音読や線を引きながら読むなどして一文ずつ丁寧に読む習慣を付けましょう。
とくに読むときに、“なぜ?”や“なに?”と一文ずつ具体的に疑問を持ちながら読むのが読解力につながります。これ・あそこなどの指示代名詞は何を指しているのかなど、抽象的な言葉を具体的に置き換えて読むのも意味を汲むトレーニングになります。

文章を書く
自分で文章を書いてみるのもおすすめです。教材として新聞の社説を要約する勉強法が広く提唱されています。いきなり本一冊の要約は難しいので、700文字程度で書かれた社説は要約するのにちょうどいい文字数なのです。はじめは原稿用紙一枚分で400文字に、慣れてきたらさらに短くして200文字程度まで要約できると力がつくでしょう。
良い文章にはパターンがあるといわれます。問題提起→主張→具体例・根拠→結論などが挙げられますが、自分で書いて要約していくうちにこの型にも慣れるでしょう。書く作業を通して文章と触れ合いながら、読解力を磨いてみてください。

英語と同じように、言葉を覚えて音読するところから!

英語と同じように、言葉を覚えて音読するところから!

「日本語が読める」には二通りの解釈ができます。“言葉の読み(音:おん)がわかる”と“読みだけでなく、言葉の意味までわかる”の二通りです。学生で国語が苦手な人は、英語ならともかく日本語だから“読める”と思って対策をしてこなかった人ではないでしょうか。

言葉の意味まで理解して使いこなすには今回説明したようにトレーニングが必要です。英語の学習と同じように、言葉を覚えて文章を音読するところから始めてみてはいかがでしょうか。