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紙に書いて原因を客観視!高校受験の不安を和らげる方法
何かに挑戦するとき、不安にならない人はいません。中学生のあなたも例外ではないのです。とくに高校受験を控えた三年生ならば、初めての受験に対して緊張や焦りが募っていることでしょう。高校受験に対する不安をどのように解消すればいいのか、対処法などをまとめて紹介します。
受験で不安になるのは当たり前!悩み過ぎず前向きに
中学受験をしていない人にとっては、高校受験が人生初の受験となるでしょう。初めての挑戦に対して不安になるのは当たり前です。ましてや受験は、この先の人生に影響を与える分岐点でもあります。まだまだこれから多くの経験を積んでいく途中のあなたにとって、受験は高すぎるハードルのように感じるかもしれません。
しかし、不安になりすぎて気持ちが沈みこまないようにしてください。確かに受験は、人生の分岐点ではあります。ただ合格しようが落ちようが、その先の人生を豊かに送るためには高校受験からあとの努力の方がむしろ膨大です。真剣に勉強には取り組みつつ、“人生は自分次第だから、第一志望に仮に落ちたとしても大丈夫”などと思い悩みすぎずに前向きにいることも忘れないでください。
受験を不安に感じたら、何が不安なのかを理解しよう
あなたが今抱えている不安は、何によるものでしょうか。不安の原因が何か分かれば、対処法や改善点が分かってあなたも楽になるはずです。たとえば下のようなことが不安につながっていないか考えてみてください。
●落ちた場合の将来を悲観している
・第一志望以外に通ってそこの卒業生として生きる自分の姿
・落ちたときの家族や周囲の反応
●時間がないと焦っている
・受験勉強を始めるのが遅かった
・出題範囲をカバーできていない
・直前なのに模試の判定が上がらない
●周りとの差
・友達は順調に成果が出ているのに自分はまだまだ
・模試を受けた会場のみんなが勉強できそうに見える
●初めての受験に対する緊張
・慣れない場所で落ち着いて試験に臨めるのか
・体が弱いが、おなかが痛くなったりしないか心配
高校受験の不安への対処法
不安の原因が判明したら、原因を絶って不安を解消しましょう。不安の対処方法をまとめました。ぜひ取り組んでみてください。
■徹底的に勉強をする
受験の不安は、しっかり勉強すれば解決できるものがほとんどと言えるでしょう。不安になるのは準備ができていないからで、準備が万全ならばどんな問題が出されても怖くありません。しっかり準備できた自信が成功につながります。
勉強していくと、ノートの数が増え、文房具は使い古されてくるでしょう。そういった使い込んだ道具は、あなたが勉強した証です。見ているだけで自分を肯定できるのではないでしょうか。とくに文房具は受験本番でも使用できるものを選んでおくと、平常心を保つのを助けてくれます。
■情報やタスクを整理して、目の前のことだけに集中する
やらなければならないタスクが山積みでゴールが見えないのは不安のもとです。やるべきことを整理して優先順位をつければ、今優先してやるべきことやゴールが見えてきます。
とくに受験は、6〜7割の正答率で合格できる場合もあります。そのため、すべての範囲を100%理解するのは無理と諦めて、100%理解できた単元・科目をいかに多く作るかに切り替える方が現実的です。できないところが分かっていれば、先生などに聞いて克服するのも、諦めてほかで手堅く得点して6〜7割を目指すのも受験の戦略次第になります。
戦略は時期やあなたの現状によっても変わってくるでしょう。まずは情報やタスクを整理して、今やらなくてはならない優先順位の高いタスクに集中して取り組むようにしてみてください。もちろん、机の上を整理して気が散るものは仕舞っておくのも大事です。
また結果の悪かったテストや模試をいつまでも眺めて萎えてはいないでしょうか。もしくはほかの人と比べて焦っていたりするかもしれません。終わってしまったテストや模試の結果は嘆いても変わりません。それに受験に落ちたわけでもないのです。そういったネガティヴな情報を早く整理して、切り替えて勉強しましょう。
■不安を吐き出す
自分の頭の中から不安を取り除くために、意図的に外に出すのが効果的です。すぐにできる方法として「口に出す」のと「紙に書く」を実践してみましょう。
口に出す場合は誰かに聞いてもらうと良いです。自分の不安を受け止めてくれて前向き・肯定的に捉えてくれる人を相手に選びましょう。とくに同じ受験生の友達であれば、“私も不安”と共感してもらえると“自分だけではない”とあなたは救われた気持ちになるはずです。もしくは保健室の先生でもいいでしょう。たとえば、2週間以上も夜が全然寝られなくなっているなどのうつ病の可能性がある場合は、あなただけではどうしようもありません。先生や家族と一緒に病気の治療が必要になります。
また紙に書くことで、不安な原因が明確になります。頭で考えるだけでは不安要素が整理しにくく、余計に不安になりかねません。紙に書いて可視化できれば、不安の原因や現状が客観的に見えるようになります。さらに情報が整理されると頭がスッキリして、そこから解決策や改善点を見えてくるでしょう。誰かに見せるわけではないため、愚痴や不平不満を遠慮なく書いてください。それだけでストレス発散につながります。
■普段通りの生活をする
体の健康状態が崩れると、精神も不安定になります。食事や睡眠時間を削ってまで勉強するのは避けて普段通りの生活を送りましょう。受験直前は寒い時期のため、体調を崩さずに受験に臨めるだけでも他の受験生に差をつけられる可能性はあるはずです。
とくに意識して睡眠を改善してみてはいかがでしょうか。1日最低でも7時間は睡眠時間を確保し、寝る直前の飲食やスマホ使用は避けてください。室温16〜26℃・湿度50%前後が寝やすい状態といわれ、空調やBGMを使用しながら快適な環境で寝るようにしましょう。睡眠モードに脳のスイッチを切り替えるために、部屋着からパジャマに着替えるのも効果的です。
■気分転換に自分の好きなこともやる
勉強をがんばるのは大事ですが、がんばりすぎて疲れてしまうときもあるでしょう。たまには出かけたり、好きなことをしたりして気分転換をするのを肯定してください。勉強に集中する上で、メリハリをつけるのは重要です。
とくに受験直前の冬は、クリスマスやお正月など受験勉強を妨げるイベントが集中した時期にあたります。受験勉強を成功させるのも大事ですが、中学時代の貴重な時間を受験のためだけに費やすのはもったいないです。ずっと勉強し続けるのも難しいでしょう。さらに、厳しいスケジュールを立てても達成できないと、余計に落ち込んでしまいます。勉強も遊びもスケジュールに入れて、ゆとりある計画をたててください。
思い悩みすぎずに、自分を肯定しよう
受験を前にして不安になっているのは、受験やその先の将来に対して真摯に向き合っている証拠です。そんな自分をほめて肯定してあげましょう。今回紹介した対策を実践すれば、あなたの不安も少しは解消に向かうはずです。最初にも書きましたが、真剣に勉強には取り組みつつ、思い悩みすぎに前向きにいることも忘れないで受験を乗り越えてください。
監修:井上智介
島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び2年間の臨床研修を修了する。 その後は、精神科医、産業医の2つの役割を中心に活動している。精神科としては、うつ病、発達障害などを中心にして、全般的に精神科疾患を対応している。産業医としては、毎月30社程度を訪問して、精神科医や健診医の経験もいかして、労災や健康障害の防止の活動している。さらに、全ての国民に医療情報の正しい理解を目標にして個人ブログやSNSを活用するだけでなく、コラムを担当したり、全国で講演したり、精力的に医療情報の発信を続けている。