高校卒業後の新しい選択肢!! 2019年4月に開学する「専門職大学」とは!?

2019年4月から開校する新しい高校卒業後の選択肢「専門職大学・専門職短期大学」。高度な知識を学び研究する「大学・短期大学」と職業に結びつく知識やスキルを身につけられる「専門学校」の両方の特性を併せ持った新しい形の「学校」として注目されています。

今回は専門職大学・短期大学の特徴を説明するとともに、今後開校予定の専門職大学・短期大学についてもご紹介していきます。

現在の高校卒業後の進学状況

これまでは高等学校卒業後の進学先は「大学」か「短期大学」もしくは「専門学校」のいずれかでした。文部科学省が平成29年度に実施した調査では、卒業生のうち54.8％が大学もしくは短期大学に、16.2％が専門学校に進学しています。

合計して約7割が高校卒業後も何らかの学校に進学していることになりますが、2019年度からは進学の選択肢に「専門職大学」と「専門職短期大学」という学校が新たに加わります。

「実践的な職業教育を行う」専門職大学・短期大学とは

文部科学省によると、専門職大学及び専門職短期大学は「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」として創設される、大学・短期大学と専門職学校の中間のような位置づけの学校です。専門学校との大きな違いは、大学や短期大学で行われるような高度な教育を受けられ「学士」や「短期大学士」の学位も取得できる点です。一方で、職業に直結するような実践的なスキルも身につくので、将来就きたい職業が固まっている学生にとっては早くから働き方のイメージを持てるというメリットがあると考えられます。

専門職大学・短期大学の仕組み

例えば大学は修業年限（学校に通う期間）が基本的に4年（医学科などは6年）であるのに対して専門学校は2～3年であるなど、高校卒業後に進む学校には仕組みの違いがあります。では、専門職大学・短期大学の仕組みはどのようになっているのかを確認してみましょう。

※ライターが作成

専門職大学・短期大学の仕組みは基本的には大学・短期大学と同じと考えて良いでしょう。ただし「職業に直結するような実践的なスキルを身につける」という観点から学習内容は観光・医療・保健といった比較的明確に将来の職業像をイメージできる分野に限られています。特に、近年注目されるようになってきた「クールジャパン」に関する学習分野も設定されているのが特徴です。

専門職大学・短期大学の授業の特色

職業に直結するような実践的なスキルを身につけるという目的を達成するために、専門職大学・短期大学では授業の3分の1以上で実習や実技を行うようになっています。例えば4年制専門職大学の場合には通算600時間以上の学外実習（企業内実習など）を行うとされており、実際の現場で知識や技術をみっちり学ぶことができます。

また大学では基本的には研究者である教授などが授業を行っていますが、専門職大学・短期大学では現場経験が豊富な実務家などが講師となり実戦的な授業を受けられる点も大きな特徴です。

2019年度から開校を予定している専門職大学・短期大学

現時点で2019年度から開校を予定しているのは以下の2校のみです。

・専門職大学：国際ファッション専門職大学（私立）

・専門職短期大学：ヤマザキ動物看護専門職短期大学（私立）

国際ファッション専門職大学は、東京・大阪・名古屋にキャンパスが設置され、「ファッションクリエイション学科」「ファッションビジネス学科」「大阪ファッションクリエイション・ビジネス学科」「名古屋ファッションクリエイション・ビジネス学科」の4学科が設立される予定です。

ヤマザキ動物看護専門職短期大学に設置されるのは、「動物トータルケア学科」のみであり、キャンパスは東京の渋谷区となっています。
それぞれ2019年の4月の開校に向けて2018年下旬から入学説明会と入学試験を実施しています。

2020年度に開校予定の専門職大学・短期大学

2019年度に開校を予定しているのは先述の2校のみですが、2020年度4月の開校に向けてはさらに20校（専門職大学15校、短期大学5校）が設置認可を申請中です。

●設置認可申請中の専門職大学

ライターが作成

●設置認可申請中の専門職短期大学

ライターが作成

専門職大学・短期大学の制度は始まったばかり！卒業生の進路にも注目

専門職大学・短期大学は始まったばかりの制度です。来年の入試前には今行われている2019年入学の入試に関するデータが公表される可能性があるので要チェックです。また専門職短期大学は2021年3月、専門職大学は2023年3月に初めて卒業生が出る見込みであり、卒業生が卒業後にどのような進路に進むかも注目すべきでしょう。