個別指導塾スタンダードのお役立ち情報
高校受験の志望理由はどう作る?自己分析と志望校研究からスタートして何度も書き直そう!!
家の近くだから。高校の推薦入試を受ける人のなかにはそんな理由で志望校を決めた人がいるかもしれません。しかし、そんな理由ではどこの高校も合格させてはくれません。志望理由はどのような内容をどのように書くのがいいのか。準備段階や書くコツなどをまとめて紹介します。
志望理由を作る前の準備として自己分析と志望校研究をしよう
志望理由とは、志望校に入りたいとあなたが考えている理由とその根拠を示すものです。教育方針や校風と自分の将来像がどのように結びつくのかを明確にする必要があります。入試で答える志望理由を考えるために、自分と志望校を客観的に見つめ直すところから始めましょう。
■自己分析:自分を理解する
自分の良いところを説明できて高校の先生に評価してもらえる志望理由にするために自己分析をまず行いましょう。紙を用意して、あなたの良いところはどこか自問自答してみてください。性格/得意なこと・苦手なこと/中学時代に力を入れたこと/これから頑張りたいこと/興味のあることなどを紙に書き出しましょう。まだ誰かに見せる段階ではありませんから、恥ずかしがらずに思ったことを全て書いてください。一回書いたら、さらに深堀りして自分の情報を詳しく・濃くしていきましょう。
■志望高校研究:高校について調べる
自己分析の次は志望校の情報を調べます。パンフレットやホームページを参考にして、どのような理念や方針で教育をしているのか・どんな生徒を求めているのかを調べてみてください。
また実際に志望校に足を運んだり、人の話を聞いたりして高校の話を聞くのも有効です。学校説明会や文化祭への参加や志望校に進学しった先輩への質問で情報を得る努力もしてみましょう。
高校入試における志望理由の作り方
自己分析と志望校研究がひと段落したら、実際に志望理由書を書いてみましょう。途中で書けなくなったら自己分析と志望校研究がまだまだ甘い証拠です。また一度書けたからと満足せず、ストイックに何度も書き直してください。
■志望理由を作るときの流れ
志望理由を書く場合は型を意識しましょう。小論文の勉強をしていたら知っているかもしれませんが、主張をまず書いてそのあとに理由とその根拠を2つ程度書き、改めて主張を書いて締めます。志望理由での主張は「私は○○高校を志望します」になります。
【志望理由の構造の例】
志望する理由として将来の夢の切り口にして書くと書きやすいです。たとえば上のような論理構造になります。この構造に従って、実際の文章にしてみます。
----- [志望理由の例文] -----
英語を使った仕事に将来就きたいと考えており、私は〇〇高校を志望しました。中学時代から英語の勉強が好きで、高校ではさらに高度な知識を身につけるだけでなく、留学やホームステイにも挑戦してみたいと思っています。とくに貴校は、英語教育に熱心で、留学やホームステイの実績も多く2019年度には32名の生徒が英語圏で勉強する機会を得たとパンフレットで紹介されていました。さらに留学を経験した貴校の在校生とお話しする機会があったのですが、先生方がサポートしてくださったのが心強かったと伺い、貴校であれば安心して留学やホームステイに私も挑戦できそうだと確信できました。英語を学ぶ機会を得て、将来の夢を叶えるために、ぜひ貴校で勉強させていただきたいです。
-----------------
このような型で書くと書きやすいでしょう。理由を書くときには、ほかの高校でもできると思われる項目はなるべく避け、数字などを入れた具体的な情報を書くのがコツです。また例文では先輩の話を書きましたが、学校説明会や文化祭に参加して実際に自分が見聞きした情報を盛り込むと他の人と差別化できます。
■志望理由を作るときのポイント
ほかにも志望理由を考えるときのポイントは多くあります。代表的なポイントを7つまとめました。書くとき・書き終わって見直すときに参考にしてみてください。
■嘘を書かない
自分をよく見せたい気持ちは分かりますが、嘘をついていると面接などで深堀りされたときに対応できません。嘘が思いつくのは自己分析ができていない証拠ともいえます。もう一度自己分析からやり直してください。
■学校のHPやパンフレットの内容や参考書の例文をそのまま使わない
型を意識するのは大事ですが、同じ内容を右から左に書き写すのはダメです。差別化ができないのはもちろんですが、どこかの文章をそのまま使っているのは高校の先生なら気づきます。
■自分の目線を大事にする
書く内容が見つからないで困っている場合は、あなたが実際に見聞きしたことを思い出してみましょう。オープンキャンパスに行ったときに出会った先輩方が気持ちよく挨拶をしてくれた・部活動の大会で先輩方が清々しくプレイしていた姿が印象に残っているなど、HPやパンフレットにはないあなたの発見を思い出してみてください。
■理由の根拠は2つに絞り、内容に一貫性を持たせる
理由の根拠を2つと書きましたが、あなたが思いつく全ての根拠を限られた志望理由書のスペース内・文字数内で伝えるのは難しいです。あなたらしさを最も表現できて他の人と差別化できる内容を2つにしぼりましょう。多すぎてもまとめる力がないと思われるだけです。2つを深く詳しく書いてください。また書いた内容は面接でも統一して、質問された際にも同じ内容を答えるようにしましょう。
■否定的な文言は肯定的に言い換えてみる
短所のない人間はいません。自己分析で自分の過去を深堀りしていくと失敗や挫折も思い出すでしょう。そういった失敗や挫折はあなたらしさを表現する絶好のエピソードです。伝えるときは否定的になりすぎず、“こういう失敗があったからこそ頑張って今がある”という流れで肯定的に書いてみてください。相手の印象もよくなり、あなたのアピールにつながるでしょう。
■志望理由を作ったら、先生や親・友達に確認してもらう
志望理由をまとめたら自分以外の第三者に見てもらってください。誰だって恥ずかしいものですが、面接などの前にみんなに見てもらっているうちに恥じらいも薄くなってきて、本番では緊張せずに話せるようになるはずです。もちろん、説明が足りない点などはみんなから修正してもらえるため、内容をレベルアップさせるのにも役立ちます。
■敬語表現に慣れる
練習段階から敬語表現を意識して書きましょう。また書き終わって第三者に見てもらうときにも変な表現がないかチェックしてもらうと上達につながります。たとえば上の例文で登場した「貴校」は、学校名を何度も書かずに済むように2回目以降で示すときの書き方です。「御校(おんこう)」という呼び方もありますが、書類などに“書く”ときは貴校、面接などで“話す”ときは御校を使うと良いでしょう。また丁寧にしようとするあまり「いただく」が多用されているケースも見受けられます。1文中に1回程度で収まるようにして、書いた文章を見返すときに削れないか工夫してみてください。
学業・部活動・学校の雰囲気を切り口にした志望理由の例文
志望理由の型として、上では将来の夢を切り口に例文を書きました。ほかにも学業や部活動を切り口にして志望理由は書けます。例文を3パターン用意しましたので、参考にしてあなたも何度も書いてみてください。
■学業が志望理由の場合の例文
簿記の勉強に取り組むために○○高校を志望しました。高校を出たらすぐに就職して働きたいと私は思っています。そのために簿記の授業や資格取得を通じて自分の強みを貴校で養いたいです。とくに貴校の商業科は、卒業生の50%以上が日商簿記検定2級を合格している点や、オープンキャンパスで校内を拝見して回った際にも最新型のパソコンが生徒の数に合わせて用意されている設備の充実さが他校を圧倒しています。さらに2019年度は希望者全員が就職された実績もあり、簿記のノウハウを学び仕事に就くサポートまでしていただけるのではないかと考えております。ぜひ貴校で簿記の勉強をしたいです。
■部活動が志望理由の場合の例文
バレーボール部で全国制覇をするため、○○高校を志望しています。小学1年生から9年間バレーボールをしており、中学では全国大会で8位入賞や県選抜に選出されるなど団体・個人ともに私は結果を残してきました。しかし、全国制覇までは達成できておらず、高校で実現するために県内屈指の強豪校である貴校でバレーボールを続けたいと考えるようになったのです。とくに貴校の先輩方とは、県選抜のチームで練習試合をさせていただいた際に、生徒自らが話し合いながら考えて主体的にプレイしておられました。その姿に感銘を受けたのです。私自身もその環境のなかでさらに成長しながら全国制覇を成し遂げるために貴校を志望させていただきます。
■学校の雰囲気が志望理由の場合の例文
厳格な雰囲気で自分を律して勉強に集中したいため、私は○○高校を志望しました。官僚になって国の運営に携わり、デフレ脱却を実現するのが私の夢です。そのためには大学に進学して国家公務員試験をパスするのが条件になりますが、高校時代に怠けずに勉強を続けていくために貴校の環境は最適だと考えています。また文化祭にお邪魔して貴校の在校生と話しをさせていただいた際に、周りの友達は定期テストですら9割を超えるのが当然で意識が高く、競い合って勉強できる環境は貴重だと伺い私は感銘を受けました。実際に貴校のOB・OGには官僚として活躍されている方も多く、将来官僚になったときにも貴校での経験が生きてくるのではないかと考えています。ぜひ貴校で勉強させてください。
誤字脱字なく、丁寧な字で書くのはどんな書類でも基本
志望理由の書き方をまとめましたが、ほかの書類や入試の答案試験も含めて、提出して高校側に見られる書類は丁寧に・誤字脱字なく書くのが基本です。自分の字に自信がなかったとしても、見てもらう人に読みやすくなるように意識して書けば問題ありません。緊張する場面でも落ち着いて間違いなく書けるように、普段から字を丁寧に書く練習も心がけましょう。