個別指導塾スタンダードのお役立ち情報
医師が解説!勉強ができる子どもに育てる「地頭」の鍛え方
「勉強ができる子どもになってほしい」。これは、子を持つ親の共通の願いかもしれません。
子どもの頃、特に勉強もしていないのに、試験では良い成績を取るような子が周りにいませんでしたか?大人になってから思い起こしてみると、こういう子が、いわゆる「地頭が良い子」だったように思います。
では、その「地頭」は、遺伝などによる生まれ持った一種の才能なのでしょうか?それとも、鍛えることができるものなのでしょうか?
「地頭」は鍛えることができる!
まず「地頭」について解説します。「地頭」とは、教育などで与えられたものでない、その人本来の頭の良さのことをいいます。一般に、知識の多さや処理能力の速さではなく、複雑な物事を論理的に考える思考力や、さまざまな場面に応じることのできるコミュニケーション能力を指します。
この「地頭」ですが、実は鍛えることが可能です。ただし、暗記一辺倒の学習では、「地頭」を鍛えることはできません。
「地頭」を鍛える絶好の機会は家庭にあり!
では、どのようにすれば、子どもの「地頭」を鍛えることができるのでしょうか。まず、親が家庭で心がけるべきことをご紹介しましょう。
幼稚園から小学校低学年の子どもは好奇心の塊です。毎日、幼稚園や学校で新しいことをたくさん経験します。大人にとっては他愛のないことかもしれませんが、子どもにとってはすごい発見や驚きばかり。子どもは、それらのことをパパやママにも聞いてもらいたいはずです。
なのに、その話を、「忙しい」「つまらない」などの理由で話をさえぎったり無視したりしていませんか?そうであれば、子どものコミュニケーション能力を鍛える絶好の好機を逃していると言わざるをえません。子どもは、今日あった出来事を伝えようとして、自分なりに一生懸命に考えて話しています。この作業こそが「地頭」を鍛えていくのです。
また、家庭では「本を読んであげる」ことも「地頭」を鍛えるのに有効です。このとき、子どもの脳は眼と耳との両方から右脳も左脳も使って大脳に情報を取り入れ、情報が間違っていないかを瞬時に確認しながら判断しています。つまり、頭をフル回転させているのです。子どもがひとりで本を読むときには「家では声に出して読むように」と教えてあげましょう。
次に、学習方法に目を向けてみます。「地頭」を鍛えるために大切なことは、子ども自身に考えさせることです。
小学生の科目の「国語」で考えてみましょう。漢字には、部首などの決まりごとがあります。例えば、「松、杉、桜、梅、柿」の漢字を習った後で、「桐、柳」という漢字に出くわしたとします。「地頭」の良い子なら、「桐、柳」が「松、杉、桜、梅、柿」と同じく、何らかの木の種類であろうことは想像がつきます。
このように、「桐、柳」という漢字を知らなくても、一部の漢字から推察して考えることで「地頭」は鍛えられていくのです。すぐに答えを教えて暗記させるのではなく、考える習慣を身に付けさせましょう。
子どもの知的好奇心の芽を
大人が摘み取ってしまわないように!
「地頭が良い」とは、言い換えれば、初めてのことや知らないことがあっても、今ある情報や経験したことなどを総動員して問題を解決したり、処理したりする能力のことをいいます。
注意すべきは、子どもが本来持っている知的好奇心の芽を大人が摘み取ってしまわないようにすることです。そうすれば、子どもの「地頭」は鍛えられていくでしょう。
監修:久保清景/医学博士
岐阜大学医学部卒業。中部地方の病院で心臓血管外科部長や循環器科部長などの重職を歴任。現在は、内科治療・外科治療、そして予防医学(運動と栄養、ストレスマネージメントを含めたデトックス)という三本柱による医療を実現し、地域医療に最善を尽くしている。医学博士、循環器専門医、外科専門医、日本心臓リハビリテーション指導士。