「不登校」からの高校受験。志望校の選び方や対策方法を解説

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「不登校」からの高校受験。志望校の選び方や対策方法を解説

高校には行きたい。不登校で悩んでいる人は、学校に行きたくない人ばかりではありません。不登校になった理由は人それぞれで、その原因が解消されれば中学校にも通ってみんなと同じ教室で授業を受けたり高校にも進学したりしたいと考えている人がほとんどでしょう。ただ不登校の生徒は、受験でつまずく場合もあります。どういった点に注意して学校選びや受験対策をしたらいいのか、まとめて紹介します。

不登校の生徒が確認しておきたい高校受験のポイント

不登校の生徒が確認しておきたい高校受験のポイント

不登校の生徒が高校受験をする際にチェックしておくべき点として調査書(内申書)が挙げられます。問題なく通学できている生徒の受験でも、調査書の内容が合否に影響する場合がありますが、不登校の生徒はとくに以下の点をケアする必要があります。

●欠席日数(出席日数)
不登校と一口にいってもタイプは様々です。教室まで行けなくても保健室には行けるならば出席扱いになっているケースがあるでしょう。しかし保健室にすら行けず自宅から出られないタイプの人は欠席日数が多くなります。
3年間すべての情報を記載するところや、3年生時だけの情報でよいところなど地域・学校によって調査書の記述内容は異なります。30日以上ある場合は、理由を推薦型選抜の面接などで聞かれるのを覚悟しておいた方が良いでしょう。
また欠席日数が多いと受験では不利になると言われたりしますが、公立では欠席が単に多いだけで不利になる可能性は低いです。欠席日数が多いと“審議の対象”になる旨が募集要項に明記されている学校はありますが、不利にならないように教育委員会から高校に対して配慮が求められているのが現実です。そして私立校においては、一般選抜では査定の対象にはされないのが一般的といえるでしょう。ただ推薦型選抜では出願条件として欠席日数の基準を設ける学校があるので注意が必要です。

●内申点
欠席日数と同じく、地域・学校によって評価の仕方や対象とする期間(3学年全て・3年時だけ)が異なります。とくに私立では、内申点が高いと合格が確約されるケースがあったり、推薦入試以外ではそもそも調査書自体を重要視しなかったりと学校によって扱い方が大きく分かれます。志望校の評価方法についてはぜひ調べてみてください。
仮に内申点を評価の対象とする場合でも、学力考査の点数と比較して合否がつけられます。学力考査の点数と内申点の比率も地域・学校によって差が出るポイントです。学力考査の評価比率が高い(もしくは学力考査の結果のみで評価してくれる)高校を選べば、不登校であろうがなかろうが、内申点が低くても当日の結果次第で合格できます。

高校4種類の違いを知って通いやすい学校を選ぼう

高校4種類の違いを知って通いやすい学校を選ぼう

地域・学校ごとでの違いがあると紹介しましたが、不登校の生徒が学校を選ぶときにはどのような点をポイントとして選べばいいのでしょうか。学校の種類を4つに大別して、それぞれの特徴を説明してみましょう。

●全日制高校
朝から夕方まで授業を行う学校で、最もオーソドックスなタイプと言っていいでしょう。学校に毎日通って3年間で卒業するのが基本です。不登校など悩みを抱えた生徒向けに、少人数授業を実施したり二人担任制などを設けていたりする学校もあります。先述のとおり、調査書が査定基準にならない学校ならば、学力考査の成績だけで合格できます。

●定時制高校
一般的には、夕方から夜間にかけて授業を行う学校を指します。全日制とちがい1日4時間程度しか授業がないため、卒業までに4年間通学するのが一般的です(学年制)。ほかにも必要な単位をとれば卒業できる「単位制」の学校もあり、早ければ3年間で卒業する生徒もいます。決まった4時間程度だけ通えば、あとの時間は自由です。そのため早起きが苦手で中学校に通えていない人や日中は仕事をしたい人には向いているかもしれません。

●通信制高校
基本的には自宅にいながら、課題(レポート)をこなして単位を取得して卒業する学校です。登校(スクーリング)するのは月に数日だけという学校も多く、課題は郵送やインターネット送受信で対応します。単位制のため留年がなく、最短3年間で卒業できます。自己管理が必要になってきますが、自分のペースで学習できるため、学校の授業に遅れたのがきっかけで不登校になった人には向いているかもしれません。慣れてきたら全日制の高校への転入も可能なため、次の展開を見据えながら高校生活の第一歩としてみてもいいでしょう。

●チャレンジスクール/クリエイティブスクール
定時制のなかでも、不登校など悩みをかかえた生徒が入学しやすい学校と言えるでしょう。「チャレンジスクール」は東京都内にある学校の名称で、神奈川県では「クリエイティブスクール」と呼ばれています。夜間だけでなく午前部・午後部の全3部制をとっており、あらゆる考え方・生活スタイルの生徒が通いやすく工夫された学校です。学力考査や内申点での査定がなく、面接や自己表現検査(スピーチ)・調査書の“関心・意欲・態度”の評価を見て合否を決めます。そのため勉強が苦手な生徒でも受験しやすいのではないでしょうか。また定時制かつ単位制であるため、授業を多く受けて単位を取れば通常4年間のところを最短3年間で卒業可能です。

高校の選び方は考え方や不登校の理由によって分かれる

高校の選び方は考え方や不登校の理由によって分かれる

高校を選ぶ際には、あなた自身の気持ちや考え方を尊重するのも重要です。進学したくないのに無理に進学しても、辛くてまた不登校になってしまう人もいるのです。なぜ不登校になったのか、また高校卒業後にどうなりたいのかをあなたも考えてみてください。

●なぜ不登校になったのか→不登校の再発リスクの少ない高校を選ぶ
不登校になったきっかけを思い出してみてください。中学校であなたが不登校になったのには理由があるはずです。理由を突き止めて、それを解決できる学校に進学できれば、高校では不登校にならずに済むかもしれません。たとえば下のような理由ではないでしょうか。対処方法の例と合わせてまとめます。
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・朝起きられない→夜間に授業を受けられる定時制高校にする
・いじめや人間関係が原因→原因となる友達がいない高校にする
・病気がち→出欠席での留年・退学がない定時制高校や通信制高校にする
・勉強についていけない→中学の勉強からやり直してくれる・サポート体制の整っている高校にする
・行きたくても学校に行こうとすると動けない→登校が少ない通信制高校や、全日制・定時制でもカウンセリングに力を入れている高校にする
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●高校卒業後にどうなりたいのか→卒業後の進路サポートが充実している高校を選ぶ
高校に入れば、3〜4年後には卒業しなければなりません。あなたが高校卒業後に大学進学を考えているのであれば、進学校または進学コースのある高校に進むのが一般的と言えるでしょう。授業や周りの生徒のレベルが高いのはもちろん、指定校推薦枠を持っていたり、合格実績が多かったりする高校はあなたのニーズに適う学校といえます。もしくは就職したいと考えている人は、商業や工業などの専門学科の高校に進んで資格取得や就職活動のサポートを得た方が得策かもしれません。

まず中学校の先生に相談!自分のペースで塾・家庭教師の活用は慎重に

まず中学校の先生に相談!自分のペースで塾・家庭教師の活用は慎重に

高校卒業後について話が進みましたが、そこまで考えられていない場合もあるでしょう。そんなときは中学校の先生に相談してみてください。不登校になったあなたを、先生はサポートしたいと思っているはずです。学校での出来事が不登校の理由ならば、先生と一緒に解決するのも可能でしょう。またその地域・近くの高校について中学校の先生は多くの情報を持っています。受験についてもアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

また不登校で勉強が遅れるのが心配だからと塾を検討している場合もあるでしょう。自宅から外に出るきっかけにしたいと考えているかもしれません。もちろん不登校になった理由によっては通塾が可能な場合もありますが、学校に通えないのと同様に通塾も難しい場合があるでしょう。無理せず慎重に判断・検討してください。

もしくは家庭教師の方が望ましい場合もあるでしょう。自宅から出なくとも、講師が家に来てくれるため、外(家族以外)との関わりを持ちつつ勉強ができます。もし勉強が遅れていたとしても、自分のペースで時間をかけて授業が可能です。また勉強だけでなく、家庭教師が悩み事の相談相手になってくださるかもしれません。相性のいい人に巡り合えるように講師選びをしっかり行いましょう。

親の接し方に問題があるケースも!?進路云々の前に不登校解決を優先

親の接し方に問題があるケースも!?進路云々の前に不登校解決を優先

不登校の生徒が高校受験をする際のポイントをまとめてきましたが、あなたの気持ちを尊重して意思決定をしてください。無理して高校に行かなくても、生き方の選択肢は多くあるのです。不登校の場合、すでに心身ともに疲れているのではないでしょうか。しっかり休んで、気持ちを落ち着かせてから高校受験や将来のことを考えても大丈夫です。

あるいは、親御さんの方が焦ってこじらせているのかもしれません。ADHDなど発達障害から不登校になっている生徒もいますが、親御さんの接し方に問題がある場合もあります。あなたに対して命令ばかりで束縛・過干渉である、もしくは話もろくにできず放置されていると感じてはいないでしょうか。そういった親御さんには変わってもらう必要があるでしょう。難しい場合は、全寮制の高校に入って親と物理的に距離をとる方法もあります。ぜひ学校の先生たちとあなたにとって最善な方法を模索してみてください。

障害など、どうしようもない場合があるのは事実です。まずは学校に相談して周りの理解・協力を得ながら、あなたの負担が減るように親御さんにも動いてもらいましょう。進路云々の前に、まずはあなたの悩みを解決するところからです。親子で不登校と向き合っていくことが高校受験の成功にもつながってくるでしょう。

子育てアドバイザー/道山ケイ

監修:子育てアドバイザー/道山ケイ

親を変えることで子どもの成績を上げるプロとして活躍。年間3000組の親子をサポートし、約7割の親子関係が良好に変化。元中学校教師で、学級崩壊の地獄と学年最下位クラスを9ヶ月でTOPに変えた天国を経験。この体験から思春期子育て法を確立。 HP:https://tyugaku.net/

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