個別指導塾スタンダードのお役立ち情報
“落ち着きがない”子どもに対する効果的な接し方
「落ち着きがありません」。先生から保護者面談で言われたり、通知表に書かれていたりしませんか?落ち着きがないと、授業に集中できず、学力の向上に支障をきたしてしまう恐れもあるため、親としては心配になるものですよね。
“落ち着きがない”子どもに対して、親は家庭でどのように接してあげれば改善が見られるのでしょうか?
子どもに落ち着きがない。考えられる5つの理由
そもそも、なぜ、落ち着きがないのでしょう?それには、以下の5つの理由が考えられます。
1.発達途中であるため
子どもの脳は、大人のように発達していません。目の前のことしか頭に入らず、全体を把握することができないのです。そのため、周りに合わせることができず、衝動的に行動してしまうことがあります。
2.性格的なものであるため
子どもとはいえ、その子特有の人間らしさがすでに表れるものです。“落ち着きのなさ”も、その子の性格の一部である可能性があります。
3.自分の思い通りにしたいため
家庭で大切に育てられた子どもは、「いつも自分の思い通りになる」と勘違いしてしまうことも。そうなると、その場のルールに従うのが苦手になり、自分をコントロールするのが難しくなります。
4.情緒が不安定なため
子どもは、親から叱られ過ぎたりすると、「親から愛されていない」と勘違いし、情緒が不安定に。その結果、落ち着きのない行動につながることがあります。
5.親や周囲からの注目を集めたいため
「親の愛が欲しい」「周囲から認めてもらいたい」という思いが大きいと、無意識に落ち着きのない行動をしてしまうことがあります。
落ち着きがない子どもに改善を促す親の心構え
よく落ち着きがない子どもに対しては、親は「注意する」「怒る」といったアクションを取りがちです。しかし、あまり変化が見られないことも少なくありません。そうなると、親子共に疲弊してしまいます。
落ち着きがない子どもに改善を促すには、以下の心構えが必要です。
大人になれば落ち着くと考える
今、落ち着きがない子どもも、大人になるとそれなりに落ち着きを持てるようになるといわれています。広い視野でとらえましょう。
子どもの性格として受け入れる
大人も子どもも、性格は人によりさまざまです。「落ち着きのない子」と考えると、なんだか良くないように感じますが、「元気があり、エネルギーにあふれ、自由な子」と言い換えれば、どうでしょうか。その子の性格として、ありのままに受け入れられると気持ちが楽になります。
ルールや振る舞い方は根気強く教える
社会のルールや、その場での振る舞い方などは「躾(しつけ)」と位置付け、根気よく何度も教えていきましょう。そうすれば、状況に応じた社会的判断ができるようになります。
親子で一緒の時間を持つ
週に1度でも、短時間でかまいませんので、親子が1対1で過ごせる時間を持ちましょう。そのときは、細かいことは言わず、楽しく過ごしてください。そうすることで、子どもは、親からの愛を感じられるようになり、情緒が安定し、自信を持てるようになります。
「能力を発揮することで注目を集められる」と教えてあげる
親や周りの人を困らせるのではなく、「能力を発揮することで注目を集められる」と教えてあげましょう。具体的には、落ち着きがないことには触れず、勉強やその子の得意なことを褒めてあげてください。そうすれば、より能力を発揮できるようになるでしょう。
親である自分の内面に目を向ける
「子どもは親の鏡」。子どもに落ち着きがないなら、親である自分の中にも似た一面があると考えてみましょう。親自身がそこを変えようとしていけば、子どもにも時間差で変化が見られるようになります。
落ち着きがない子どもに改善を促すには、
以下の心構えが必要です。
子どもに落ち着きがないと親は否定的に考え、自分の育て方を責めがちですが、誰が悪いわけではありません。上記の心構えを参考に、「注意する」「怒る」以外の方法で我が子に接してあげてみてください。子どもに徐々に落ち着きが出てくると、勉強にも集中するようになるはずです。また、行き詰ったときは一人で抱え込まず、誰かに相談することも覚えておきましょう。
監修:安藤はま子/心理カウンセラー
子育て中に心理学を学び、心理カウンセラー資格を取得。企業での新人研修、中学校での相談、民間会社での心理カウンセリング、公的機関での女性相談などを行い、2005年にカウンセリングルームミスタヴィスを開業。その後、世界の仕組みについての理論を学ぶ。2012年、サラカオル株式会社を設立。心理学と自己啓発理論、潜在意識などを取り入れたカウンセリングやセミナーを行っている。親子関係が改善し、人生の流れが良くなるカウンセリングと評判。著書に「親との問題~女性の心が楽になる生き方」(ギャラクシー出版)がある。