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叱るのは逆効果!反抗期で勉強しない子どもへの対処法
発達心理学上では、12歳から25歳くらいまでを「青年期」と呼びます。青年期は「第二の誕生」ともいわれ、集団の中での比較を繰り返し、「自分とは何者か?」を経験から学んでいきます。心身ともに子どもから大人に変化するため、大きなエネルギーを使う時期で、例えるならば、大海の嵐に翻弄される小舟のようで、心はとてもナイーブな状態に。
中学生になり、思春期(青年期の前半)を迎えた子どもたちは親や先生の言うことを聞かなくなることもあるでしょう。いわゆる「反抗期」ですが、子どもにとっても親にとっても疾風怒濤の時期といえるかもしれません。
反抗期で勉強をしない子どもを見れば、つい感情的に叱ったり小言を言ってしまったりするかもしれませんが、どのように対処すれば良いのでしょうか?
反抗期の子どもに対して逆効果となる NG 対処法
親というのは、どうしても子どもをコントロールしたくなってしまうものです。しかし、これは逆効果。具体的に、以下のようなことは避けた方が無難です。
失敗ばかりを指摘する
これは「勇気くじき」となり、子どもは失敗を恐れて挑戦できなくなります。
ネガティブな感情をぶつける
思った通りに行動しない子どもに対し、怒鳴り散らして不機嫌になったり、泣いて「情けない」などと口走ったりしても軽蔑されるだけです。
無関心な態度をとる
接することに疲れたからといって無関心になると、子どもは反抗的になったり無能になったりしてでも親の反応を得ようとしてしまいます。
過保護に援助する
判断力や行動力が高い親の子どもの自立が意外と遅れてしまうことがあります。子どもにとっては選択することや失敗の経験も必要なのです。
>大人になることを否定するような扱いをする
子どもが反論したり、自分の意見を述べたりしたとき、「可愛くない!」「子どもは口ごたえするな!」などと否定してしまうと、自己の形成を送らせます。
子どもを「ひとりの人間」として理解し、
反論や無謀な意見も“聴く”
このように、小学生の頃までなら通用したかもしれない接し方が、中学生にもなると通用しないどころか、むしろ逆効果になってしまいます。反抗期の子どもと接する際は、以下のことを心がけましょう。
個を理解する
小学校までは「標準」というものを追い求めていたかもしれませんが、現在の子どもの性格や得手不得手を理解するようにしましょう。
反論や無謀な意見も“聴く”
できるだけ親の主観のフィルターを外し、子どもが何を感じているのか聴きましょう。“聞く”のではなく、心を寄り添わせながら“聴く”姿勢が大切です。
課題を分離する
「今、子ども自身がやるべきことは何か?」「親がやれることは何か?」「協力を求められていることは何か?」など、課題を分離して考えましょう。すべてを一緒くたにしてしまうと、子どもであっても土足で相手の心に踏み込むことになってしまいます。
逃げずに冷静に
つい苛立ちをぶつけそうになっても冷静に対処しましょう。
ときには失敗を経験させる
取り返しがつかないことはいけませんが、ときには“失敗して困る”という経験もさせて温かく見守りましょう。
「過剰な子ども扱い」を避けて“涼しい親子関係”の構築を
親にとって「子どもはいつまでたっても子ども」というのは紛れもない事実でしょう。しかし、気を付けなければいけないのは「過剰な子ども扱い」です。暑苦しい過保護でもなく、冷たい無関心でもない“涼しい親子関係”を目指してください。
そして、「成績が良いこと」「テストで良い点が採れること」=「良い人間」ではない、ということを忘れないようにしましょう。人間力が高ければ結果がついてくることは、私たち大人の方が知っているはずです。それを心に留めておくだけでも、親としての心構えに余裕が出るかもしれませんね。
監修:青柳雅也/心理カウンセラー
名古屋生まれの岐阜県海津市育ち。IT関連技術者として約18年間、そのうち管理職として6年間の経験を持ちながら、人生を自分の夢のために使う事を決意し、2010年、起業する。数々のカウンセリングの臨床経験があり、活動は、個人カウンセリングや企業のメンタルヘルスケア、専門学校や大学では心理学の講師、心理学講座「青い柳のココロカフェ」の開催、コラム執筆など多岐にわたる。全国ネット情報番組に出演経験あり。