小学3年生の3学期が始めどき!?「中学受験」に向けて親が行うべき準備の基本

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小学3年生の3学期が始めどき!?「中学受験」に向けて親が行うべき準備の基本

小学生教育 2019.02.19

「勉強しなさい」と子どもに口すっぱく言っている親御さんたち。中学受験を成功させるためには、みなさんが主体的に準備をしていく必要があります。今回は、子どもに中学受験をさせたいと考える親のために、準備の基本をまとめて紹介します。

まずは中学受験のゴールと方針を家庭で明確化する

中学受験の準備は、小学3年生の3学期や新小学4年生のコースが塾で始まる2月頃に、週2程度の通塾から始める人が多いです。親が勉強を教えて自力でという家庭ももちろんあります。子どもが勉強をするのは大前提で、親は子どもの手助けをしてあげる必要があります。

まずは中学受験のゴールをイメージして、どのような受験にしたいのかを明確化しましょう。何のために受験をするのか。受験に対する家庭の方針をなるべく早く決めてください。中学受験と高校受験をする場合での6年間の違いを下にまとめました。なぜ中学受験をするのかを考える際の参考にしてください。

まずは中学受験のゴールと方針を家庭で明確化する

そして、中学受験に臨む小学生の時点では、自分にあった選択を子どもだけで行うのは難しいです。親が情報を収集・伝達してあげて子どもと一緒に準備をしていきましょう。注意点としては、自分たち親の経験則から考えないことです。みなさんの頃とは時代が違います。親の意思や考えが先にはありますが、勉強して受験するのは子どもです。子どもの意思も尊重しつつ、現在の受験情報を踏まえながら準備を進めていきましょう。

違いを理解するところから始める「学校選び」

「学校選び」と一口に言っても、国立/私立の一般受験と、公立中高一貫校受検では対策は異なります。私立受験も、入試形態が多様化してきました。また私立には、大学付属校か否か/共学か別学かなど学校の種類も様々な選択肢があります。さらに教育内容や校風も、受験対策に力を入れている学校、個人の興味関心を探究できる独自のカリキュラムを展開している学校など様々です。

そのため、各学校の違いを親が理解すること、どのような受験にしたいのかをイメージすることが大切です。下に、学校選びのポイントを7つ挙げました。(1)(2)で学校の「傾向」を、(3)~(6)で「特徴」を、(7)で「独自性」が測れます。図のように、各学校の情報をまとめてみるのもよいでしょう。

違いを理解するところから始める「学校選び」
違いを理解するところから始める「学校選び」

「塾選び」も家庭の方針と合うかで考える

塾も同様です。簡単に、「大手塾」「地域密着型の中小塾」「個別指導塾」の3つの特徴を下の表にまとめてみました。ほかにも家庭教師や通信教育という選択もあるでしょう。たくさんある学習環境や教材のメリット/デメリットを理解し、そこから子どもの個性や家庭で決めたゴール/方針をもとに用意する環境を考えましょう。ですから、普段のコミュニケーションのなかから子どもの個性を理解することから始めてください。

「塾選び」も家庭の方針と合うかで考える

塾を選択する際には、必ず塾に足を運んでください。先述の「情報の取捨選択」にもつながりますが、塾が公表している紹介文やデータなどを鵜呑みにしてはいけません。ゴール/ポリシーとマッチするかも実際に見てみないと分かりません。塾選びについてもチェクポイントを7つ挙げました。参考にしてください。

「塾選び」も家庭の方針と合うかで考える

健康管理は「早寝早起き朝ごはん」から

健康管理は「早寝早起き朝ごはん」から

受験以前の子育ての基本ですが、健康管理も親の仕事です。子どもの能力を伸ばしていく上で推奨されているのが「早寝早起き朝ごはん」。「全国学力・学習状況調査」(文部科学省)では「朝食の摂取」「就寝」「起床」のそれぞれと「学力」の関係性を調査し、「小学6年生」を対象にした平成29年度の調査で、毎日朝食をとり睡眠時間と起床時間を毎日同程度に保っている子は学力調査の結果がよかったというデータも出ています。

人間の脳には成長する順番があり、成長が正しく行われるためには睡眠と食事が大切とされているのです。人間の脳は、"からだ"をコントロールする「古い脳」がまず成長します。そのあと、"脳"をつかさどる「新しい脳」や発達。"心"を統制する「前頭葉」が最後という順序です。正しく脳を成長させるためには、子どもの睡眠時間を親が確保しましょう。しっかり睡眠をとった上で、余った時間でどのように学習を進めていくのか。そういった健康管理を実践してください。

また、習い事などでスケジュールがパンパンになっているご家庭もあるかもしれません。ただこなすだけになってしまっては元も子もありませんので、日中での時間的・精神的な余裕の確保も意識しましょう。

子どもを「サポート」するぐらいの心構えで

最後に、「ヘルプ」と「サポート」の違いを理解しておくことも大事でしょう。

ヘルプ:代わりにやってあげること
サポート:自分で目標達成ができるように手段を授けて成功に導くこと

中学受験は親の裁量が多いのは確かですが、全部をヘルプしてはいけません。親が子どもの失敗を恐れずに、いろいろな体験をさせることが大事なのです。効率を優先するあまり、子どもが自分でできることまで手を出して代わりにやっていないか。そこから考え直すのも中学受験のスタートと言えるかもしれません。

そして、結果ばかりでなく、プロセスを見守りながら、子どもの自己肯定感を高めてあげましょう。時代は変化しています。変わりゆく社会を子どもは生き抜いていかなければなりません。だからこそ、親も完璧である必要はなく、失敗をしながら子どもから学んで一緒に成長するぐらいがちょうどいいのです。寛容な心持ちをもち、また明確なゴール/ポリシーを設定して、子どもと一緒に中学受験の準備を進めてください。

[注記] 本文中の図表は、監修者の著作『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)を元にライターが作成したものです。

教育ジャーナリスト マザークエスト代表/中曽根陽子

監修:教育ジャーナリスト マザークエスト代表/中曽根陽子

教育機関の取材やインタビュー経験が豊富で、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、テレビやラジオなどでもコメントを求められることも多い。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱し、講演活動も精力的に行っている。また、人材育成のプロジェクトである子育てをハッピーにしたいと、母親のための発見と成長の場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『後悔しない中学受験』(晶文社出版)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)など著書多数。ビジネスジャーナルで「中曽根陽子の教育最前線」を連載中。 オフィシャルサイトhttp://www.waiwainet.com/

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