電話料金をおさえてお小遣いアップ!? 解約料が1000円以下になった今秋に考えたい「格安SIM」とは

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電話料金をおさえてお小遣いアップ!? 解約料が1000円以下になった今秋に考えたい「格安SIM」とは

中学生教育 2019.10.24

お小遣いをあげてほしい。中学生のあなたにとって切実な願いではないでしょうか。テストでいい点とったら、部活の大会で優勝したら……とあの手この手で交渉をしているかもしれません。そんなあなた、スマホ・携帯電話の使用料を見直す作戦を使ってみませんか?

大手キャリアのスマホを使っている人は「格安SIM」に切り替えれば6000円近く下げられるかもしれないのです。「格安SIM」とはどういった商品なのか、なぜ安くなるのか。仕組みや理由をまとめてみましょう。

格安SIMとは契約者情報や電話番号が記録されたICカード

格安SIMとは契約者情報や電話番号が記録されたICカード

「格安SIM(Subscriber Identity Module Card)」とは、通話やネット閲覧などの通信をするときにスマホやタブレットに挿すICカードです。端末やメーカーによってサイズがことなりますが、小さなカードのなかに契約者の情報や電話番号が記録されています。

いままで携帯・スマホ業界では、ドコモ・au・ソフトバンクの大手キャリアが三強として市場を占領してきました。しかしSIMカードを販売する「MNVO(Mobile Virtual Network Operator):仮想移動体通信業者」が現れたことで大手キャリア以外のスマホを使う人も増えているのです。

「MNP(Mobile Number Portability):携帯電話番号ポータビリティ」の制度でキャリアを変えたとしても電話番号を引き継げるようになったのも影響しているでしょう。自分でSIMカードの差し替えができるタイプ(SIMフリー)の端末ならば、いままで使っていた端末のままで格安SIM経由での通信に切り替えもできるなど、選択の幅も広がっています。なお、キャリアの端末のままでもSIMロック解除できる端末も多いので、確認してみましょう。

回線は借りる・ユーザーに合わせてサービスを絞るから安い

回線は借りる・ユーザーに合わせてサービスを絞るから安い

格安SIMのメリットは、名前のとおり価格の安さです。端末代・オプションを含んだスマホの平均月額料金を調べた調査によると、大手キャリアの8451円に対し、格安SIMは2753円とおおよそ6000円もの差がついたデータもあります。大手キャリアは自社でアンテナや基地局などの通信回線を整備・メンテナンスしているため、その分の費用が料金にも反映してきました。対して、MNVOは大手キャリアが敷いた通信回線を借りているだけのため、費用を抑えられる分だけ料金も下げられるのです。

また大手キャリアは「プラン料金」・「本体代」・「通話料」・「そのほかのサービス料」がまとまった形での契約が一般的です。対して、MNVOでは自分の使い方に合わせて契約をカスタマイズできます。電話をあまりしない人は無料通話分が少ない代わりに基本料が安いSIM、ネットをたくさん見る人はデータ通信量が無制限のSIMを選んで契約するのです。

キャリアならではの手厚いサービスが使えなくなるデメリットに注意

キャリアならではの手厚いサービスが使えなくなるデメリットに注意

安い代わりに、キャリアならではのサービスが使えなくなる点は注意が必要です。たとえば下の4つが挙げられるでしょう。

●キャリアメールが使えなくなる
末尾が@docomo.ne.jpや@au.comのメールアドレスをつかっている人がいるでしょう。格安SIMに変えると今つかっているキャリアのメールアドレスが使えなくなってしまいます。

●キャリア決済ができなくなる
ゲームの課金やネットショッピングの代金などを電話料金と一緒に払っている人は、キャリア経由での決済も使えなくなります。

●LINEも年齢認証ができない
中学生のみなさんも「LINE」をつかっているではないでしょうか。LINEは、キャリアの提供する情報をもとに年齢認証を行っています。そのため、年齢認証ができなくなり、ID検索が使えなくなる場合もあります。

●通信速度が安定しない可能性も
大手キャリアの回線を借りて通信をしているため、サービス提供エリアや最大通信速度は同等です。しかし、MNVOごとで借りているネットワークの帯域やユーザー数によって通信速度が遅くなる場合があると言われています。利用者数が増える通勤・通学・昼休憩時なども安定しなくなる可能性が指摘されています。

ほかにも端末保証やセキュリティなどキャリアが提供しているサービスを使っている場合は注意が必要です。通話ができないSIMの場合は110や119などの緊急通報ができないタイプもあるので注意しましょう。

10月から施行の「改正・電気通信事業法」で「2年縛り」も

10月から施行の「改正・電気通信事業法」で「2年縛り」も

デメリットを紹介してきて格安SIMへの切り替えに不安を感じる人もいるでしょう。しかし、デメリットを解消するシステムやツールが整い始めてきたのも事実です。キャリアメールの代わりにGmailやYahoo!メールなどのフリーメールを使ったり、ID検索の代わりに電話番号検索やQRコード検索を使ったり。通信の乱れは、Wi-fiでカバーしたり、使うタイミングを考えたりすればいいのです。

とくに「電気通信事業法」が改正され、2019年10月から解約料が上限1000円以下に引き下げられました。他社への乗り換えはもちろん、機種変更の障害になっていた「2年縛り」の負担を減らすのが目的といわれています(2年縛り有り・無しの契約での差額も170円と改正・電気通信事業法で決まりました)。

端末の料金を分割している人は残りを払う必要がありますが、通信料を下げようと思っている人には追い風になるのでしょう。お小遣いをあげてほしいと思っている中学生のあなたは、スマホの契約を見直す作戦で親御さんに交渉してみるのはいかがでしょうか。

ITジャーナリスト/高橋 暁子

監修:ITジャーナリスト/高橋 暁子

LINE・Instagram・TwitterなどのSNSなどのウェブサービス、10代のSNS利用実態、情報リテラシー教育などを専門とする。一児の母であり、元東京都教員の経歴をもつ。『ソーシャルメディア中毒(幻冬舎)』『できるゼロからはじめるLINE超入門(インプレス)』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本(日本実業出版社)』『Facebookで就活に成功する本―ソーシャルメディアを活用して希望の会社に入る法(自由国民社)』など著書も多数。

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