経済的に問題はなくても“小1の壁”で苦しむ!?「共働き世帯」が気をつけたい子育ての落とし穴

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経済的に問題はなくても“小1の壁”で苦しむ!?「共働き世帯」が気をつけたい子育ての落とし穴

小学生教育 2019.10.24

日本には1502万世帯の「共働き世帯」があります(労働力調査基本集計2018年)。割合でいえば共働き世帯は全体の63%。平成9年ごろから割合は増え、専業主婦世帯との差は広がるばかりです。

読んでくださっているあなたも共働きをされている一人かもしれません。あなたのご家庭のような共働き世帯で子どもを育てる上にどのようなポイントを注意しなければならないでしょうか。子どもが小学生以上の場合を想定して考えてみましょう。

経済的な安心が心の余裕に

経済的な安心が心の余裕に

共働きのよいところとして、経済的に安定する点はまず思い浮かぶのではないでしょうか。収入源が二人分あれば、子育て資金も潤沢に使え、貯金もしやすくなります。さらに子どもをどちらの扶養にするか選べるのもメリットです。会社の家族手当や健康保険の補助制度がより充実している方の扶養に入れられます。

家計を支えるプレッシャーがどちらか一人に偏ってしまう心配が減る点で、精神的な安定も大きいでしょう。また子どもと常に一緒だと圧迫感を感じていた人が、外で働くようになって、充実感ややりがいを感じ、生活にもメリハリがつくケースもあるでしょう。欲しいものを自分の稼いだお金で買えるのも気持ち的に楽なのではないでしょうか。

保育園不足の次は、小学校・職場・家庭内で問題が起こる!?

保育園不足の次は、小学校・職場・家庭内で問題が起こる!?

しかし、いいことばかりではありません。祖父母やベビーシッターの力も借りながら共働きを続けてきても、子どもが小学生になって転職や離職を考える人がいます。理由はどういったものがあるのでしょうか。

●小学校 〜保育園問題の次は「小1の壁」〜
出勤時間に合わせて子どもを預けられ、仕事で遅くなっても子どもを保育園は預かってくれます。しかし、小学校は出勤時間よりも登校時間の方が遅い場合も多く、身支度はもちろん、戸締りの心配が発生します。お弁当を作る手間が増える場合もあるでしょう。
そして、小学校低学年の場合は夕方には下校です。鍵を持たせて、子どもだけで留守番をさせるのに不安のない親はいないでしょう。しかも夏休みともなれば1ヶ月以上も子どもが家にいるので大変です。学童を嫌いになる子もいれば、民間のサマースクールは人気かつ高価で入れない場合もあります。もちろん宿題のフォローは一年中しなければなりません。
保育園では先生や周りの親との距離感も近く、子どもの様子が分かりやすいです。しかし小学校では連絡事項も子どもを介してするようになり、先生や周りの親とも距離ができます。このような、小学校に上がる段階での障壁を「小1の壁」と呼んだりします。

保育園不足の次は、小学校・職場・家庭内で問題が起こる!?

●職場 〜周りの理解を得られるか!?〜
職場全体の制度の存在はもちろん、上司や先輩に子育て経験のある人がいないために、理解を得られずに肩身の狭い思いをしている人は多いようです。また、急ぎの対応が必要なときの時間繰りも大変です。かりに急な仕事を代わりにやってくれる人がいたとしても、気を使うものであり、評価・昇進・配属に響くのではと不安にもなります。

●家族内 〜子育ても家事も夫婦間で思いやる〜
共働きをしていると、家がゆっくり過ごせる場所ではないと感じる機会もあるかもしれません。家事は日々発生するため、先送りできず、体にムチ打ってこなしている方も多いでしょう。仕事で疲れていても、表に出せば相手に気を使わせ、抱え込んだら余計に疲れてしまいます。
家事もルールを決めて分担しても、急な仕事で守れなくなる可能性があり、守れたとしても十分にこなせない日もあるでしょう。夫婦間での価値観も大事で、「子育て・家事は二人の仕事」のはずなのに、「子育て=母親の仕事」や「収入が低い方が家事をやればいい」とどちらかが思ってしまうとトラブルになりがちです。

心の余裕をもって、ときには手を抜き、相手には感謝・配慮を

心の余裕をもって、ときには手を抜き、相手には感謝・配慮を

共働き世帯のトラブルに苦しまないためには、少しでも心の余裕を増やす工夫が大切です。仕事・家事・育児の中であれば、手を抜きやすいのは家事でしょう。“今の時代の「三種の神器」”である自動掃除機・食洗機・乾燥機付き洗濯機を使う、アウトソーシングする、外食や惣菜で食事もラクするなどやり方は多くあります。

お金がかかる以前に、精神的な部分で「時短はやっちゃダメ」と門前払いをしている人が多いのではないでしょうか。仕事と育児のやりくりだけでみんな大変なのです。家事を手放す自分を許していくのは、心の余裕を生む上で大切です。

さらに、時短勤務など一人が仕事の仕方を変えるのも選択肢としては考えられるでしょう。なかには、フリーランスとして自由な時間を増やす道を選ぶ人もいるかもしれません。いずれにしても、働き方を変えると最初は苦労も多いものです。働き方を変えなかった方がサポートして、パートナーに感謝しながら共働き世帯として子育て問題と向き合ってみてください。

監修:佐藤めぐみ

監修:佐藤めぐみ

ポジティブ育児研究所 代表 & 育児相談室「ポジカフェ」主宰 イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの検定事業、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。

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