「指定校推薦」は合格率100%?試験前に知りたい情報まとめ

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「指定校推薦」は合格率100%?試験前に知りたい情報まとめ

指定校推薦は合格率100%と謳われることがあります。大学と高校の信頼関係によって成り立つ制度で合格率が高いのは事実ですが、不合格になる場合ももちろんあります。どういった場合に指定校推薦でも不合格になるのか、不合格にならないためにはどのような準備が必要なのかをまとめて紹介します。

指定校推薦とは高校と大学の信頼関係で成り立っている推薦制度

指定校推薦とは高校と大学の信頼関係で成り立っている推薦制度

指定校推薦(指定校制推薦)とは、学校推薦型選抜の一種に分類されます。指定校として認定した高校に対して一定数(1〜3人程度)の入学枠を大学が与える代わりに、優秀な生徒(もちろん入学希望者)を推薦してもらう仕組みです。学校対学校の信頼関係で成り立っている制度で、指定校推薦されれば特別な理由がないかぎりは合格できるのが生徒には魅力的といえます。基本的には専願での出願になるため、合格したら必ず進学しなければなりません。

さらに学校推薦選抜はもうひとつ「公募推薦(公募制推薦)」があります。指定校推薦と違って出願できる高校の制限がなく、大学ごとの出願条件を満たし在籍校からの推薦がもらえれば、どこの高校からでも出願できます。また公募推薦は、学業面での評価(評定平均)が査定のポイントになる「一般推薦」と部活動や特別活動での実績がポイントになる「特別推薦」の2つに分けられます。比較的低く設定はされるものの特別推薦でも評定平均が出願の基準として設けられる場合があります。受験校ごとの規定を必ず確認しましょう。

■指定校推薦のスケジュール
指定校推薦の主なスケジュールを確認しておきましょう。大学ごとで細かい時期・日程は異なりますので、指定校推薦での入試を検討している人は早め早めで確認して準備を進めておきましょう。

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6〜8月:高校での募集→担任に出願の意思表示

〜10月:校内選考での推薦生徒決定

10〜11月:大学への願書提出

11月ごろ:試験

12月ごろ:結果発表

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■指定校推薦の出願には"評定平均"が重要
一般推薦の査定基準で評定平均が重視されるのを紹介しましたが、指定校推薦でも校内選考の段階から重要視されます。査定方法は学校ごとで異なりますが、1年生から3年生の1学期(前期)までの評定が計算対象に入れられるのが一般的です。計算式は下のとおりで簡単に求められます。

【全科目の内申点の総和÷科目数=評定平均】
※小数第一位までの表記が一般的
外国語学部における英語のように、大学・学部によっては特定の科目ごとでの評定平均が出願条件として設けられている場合があります。また1年生時からの内申点が計算対象に入っているため、指定校推薦に出願しようと3年生の時点で思い立っても“時すでに遅し”になっている場合も珍しくはないでしょう。

■指定校推薦の試験内容
指定校推薦の試験では、学力考査が行われないのが一般的です。代わりに大学入学共通テストの受験が入学手続きの一環として必須とされている大学もあります。実際に試験で課されるのは、「小論文」や「面接」です。詳しい対策は後述しますので、そちらを参考にして準備を進めてください。

指定校推薦の合格率は100%ではない。不合格になるのはどんなケース?

指定校推薦の合格率は100%ではない。不合格になるのはどんなケース?

指定校推薦は大学と高校の信頼関係で成り立っている制度だと先述しました。そのため合格率は100%……と言いたいところですが、「特別な理由がないかぎり」と書いたとおり、不合格になる場合があります。

■指定校推薦は必ず合格する?
指定校推薦の合格率が100%と謳われるほど高いのは、大学・高校の信頼関係が根底にあるのはもちろん、双方へのメリットが大きいのも関係しているでしょう。指定校推薦は多くの私立大で実施されていますが、卒業生を有名大学・人気校に進学させると高校の実績になり、翌年度の受験生・入学者を募りやすくなります。大学側は、優秀な生徒をいち早く確保しつつ、定員割れのリスクを減らせるのです。受験生徒も一般選抜より早く受験のストレスから解放され、落ちたとしても改めて一般選抜を受けられるのでチャンスが増えるメリットがあります。

■指定校推薦で不合格になる理由
指定校推薦で不合格になる「特別な理由」とはどういったものが考えられるでしょうか。選考する大学側の判断によりますが、素行不良はまず注意してください。たとえば下のような理由で不合格にならないように注意しましょう。

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・試験当日に遅刻や欠席 (体調不良を含む)
・小論文に真面目に答えなかった
・面接で全く受け答えをできなかった
・校内選抜後に赤点を取った
・合格後の入学金の振り込みが抜けていた
・警察沙汰になった
・高校を卒業できなかった など
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もしくは大学側の判断で不合格になるケースもあります。たとえば芸術系の大学・学部の場合は、選考する先生の主観で評価が大きく変わるため、相性が悪いと採点に響く可能性があります。また医療系では、生命にかかわる仕事に従事するための人間性が伴わないとの理由で不合格になるケースがあるようです。ほかにも学部全体で募集したら特定の学科・コースに希望が集中して枠以上になり不合格にされる場合もあるといわれます。

指定校推薦に向いている・向いていない生徒

指定校推薦に向いている・向いていない生徒

合格率が高く合否も早く分かるなら指定校推薦で受験したいと考える人も多いでしょう。ただ、指定校推薦での受験には向き・不向きがあります。表裏一体な部分もありますが、特徴をまとめてみました。あなたが当てはまるか一度考えてみてください。

■指定校推薦が向いている生徒
まずは指定校推薦枠に行きたい大学・学部があるかを確認しましょう。指定校推薦の校内選考・入試に落ちたとしても一般選抜での受け直しも可能です。そのため行きたい大学・学部があれば受験するチャンスが増えるため、ぜひ指定校推薦に挑戦してみてください。そして、学校の定期テストをがんばっていたり生活態度にも気を使っていたりして評定が高い人は向いているでしょう。もしくは部活動など学業以外で実績を残している生徒も向いているといえます。

■指定校推薦が向いていない生徒
指定校推薦枠に行きたい学校がないのに無理して受ける必要はありません。人気大学であれば学部・学科にこだわらない人もいるかもしれませんが、4年間通って出身校として名前を背負っていくのはあなたです。先生から薦められるケースもありますが、自分の気持ちに素直になりましょう。また行きたい学校が決まっていない人も同じです。成績が良い生徒を高校側は推薦したいと考えるため、あなたに話がくるかもしれません。将来を見据えて慎重に検討しましょう。
もしくは国立大学志望の人は指定校推薦に向いていないかもしれません。一部の公立大学では指定校推薦がありますが、国立大学では推薦自体はあったとしても公募制推薦しかないのが現状です。

面接や小論文など指定校推薦の受験対策を始めよう

面接や小論文など指定校推薦の受験対策を始めよう

指定校推薦の試験では小論文と面接が課されると先述しましたが、最後に対策方法を説明します。評定平均も十分で校内選考をパスしたとしても、先述のとおり不合格になる可能性はあるのです。しっかり対策して試験に臨んでください。

■小論文対策
実際に書かないと小論文を上手に書けるようにはなりません。問題集などを使って可能なかぎり多くの文章を書いてください。小論文を書く時にとくに意識したいのが型です。小論文では最初に結論を書いてそのあとに根拠・理由を2〜3つ書き、最後に改めて結論を書いて結ぶ型が一般的とされています。書き始める前に型に沿って構成を考えるようにすると文章をまとめやすいでしょう。
また小論文のテーマには、受験する大学・学部に関するニュースやトピックスが使われます。過去問や問題集での演習を積む間に知識を得るのはもちろん、関連する書籍を読んだり知らない言葉が出てきたらネットで調べたりして知識を膨らませておきましょう。また誤字脱字や文章表現の不備は自分では気づけない場合があります。学校の先生や塾の講師に添削してもらうと良いでしょう。

■面接対策
面接対策は別記事で詳しく解説しています。下のリンクからアクセスして読み進めてみてください。
【必ず合格できるはウソ?「指定校推薦」で受かるための面接対策】https://std-ie.jp/tips/tip158.html

指定校推薦の準備を始めるのは早ければ早いほど良い

指定校推薦の準備を始めるのは早ければ早いほど良い

指定校推薦の合格率が100%と謳われる理由は分かったでしょうか。大学・高校にとってメリットのある制度であり、真面目にコツコツがんばってきた生徒が有利になる制度といってもいいかもしれません。ただ説明したとおり、厳密には合格率100%ではなく不合格になる場合もあります。指定校推薦での受験を検討している人は注意点をよく読み、早め早めに準備を行ってください。

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