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文字式とは?使い方や計算の方法を解説
中学校の授業で、英語でもないのにxやyが登場して面食らった人もいのではないでしょうか。数字のほかにxやyなどの文字をつかって作られる「文字式」が中学校1年生の数学で登場します。なぜ文字を使って式を作るのか、作るときや計算するときにどんな点に注意すればいいのかをチェックしましょう。
文字式とは「文字を使って表された式」
文字式とは、文字を使って関係性を表した式です。a・b・c・x・yなどのアルファベットはもちろん、α(アルファ)・β(ベータ)・γ(ガンマ)・δ(デルタ)・ω(オメガ)・π(パイ)などのギリシャ文字も数字のほかに使われます。
文字式を使う理由は、特定の場合にかぎらない普遍的な式を作るためです。たとえばミカンとリンゴを合わせた個数を考えるとしましょう。ミカン4個・リンゴ5個の総数は9個です。式にすると4+5=9とできます。
上は問題ない人がほとんどかと思いますが、つぎはミカンとリンゴの数を限定せずに個数を式にしたい場合を考えてみましょう。ミカンの個数をx・リンゴの個数をyとすると、ミカンとリンゴの総数はx+yで表せます。数値を限定しない場合以外でも、数値が変わる変数・分からない未知数の場合にも文字式で対応可能です。つまり文字式によって計算がより便利になるといえます。
文字式の種類
文字式にはいくつか種類があります。代表的なものを3つ紹介しますが、中学1年生以降で習うものもありますので参考までに読んでみてください。
方程式(ほうていしき)
文字で表している変数・未知数に、ある数字を当てはめる(代入する)と成り立つ式。
→“この方程式が成り立つある数xを求めよ”などと問われ、“x=◯”と答える。
[例]x-1=0が成り立つxを求めよ。
→ x=1
恒等式(こうとうしき)
文字で表している変数・未知数に、どんな数を当てはめて(代入して)も成り立つ式。
→“この恒等式がどんな数xを代入しても成り立つのを証明せよ”などと問われ、恒等式が成り立つまでの過程を答える。
[例](x+1)(x-1)=x2-1がどんなxでも成り立つのを証明せよ。
→左辺より(x+1)(x-1)=x2-x+x-1= x2 -1-x+x= x2 -1
→よって(x+1)(x-1)=x2-1は成り立つ
定義式(ていぎしき)
複雑な式がでたときに、計算を簡単にするために略称を仮として定義する式。
→定義式の解を求めたり成り立つかを証明したりはしない。あくまで計算を簡単にするための道具。定義式に用いる文字は基本的に任意だが、円周率を表すπや虚数単位を表すιなど特定の用途で決まって使われるものもあるのに注意。
[例]x+y=A
円周率(3.1415926…)をπと定義する
α+βをsとおく など
文字式の表記ルール
数字の代わりに用いる文字は基本的に任意と説明しましたが、ほかに表記のルールがあります。基本とされる6項目を挙げましたので、チェックしておきましょう。
文字式の計算ルール
文字式は、数字だけの式のように表記に従って右から左に計算してはいけない場合があります。下のルールをおさえて計算しましょう。
かけ算・わり算→たし算・ひき算の順で計算する
[例]x×y×y-y=xy2-y
かっこ()がある場合はかっこを優先する
[例] x×y×(y-y)=x×y×0=0
文字が同じ項は係数をまとめる
[例]2x+3y+7x+11x2-5y=11x2+(2+7)x+(3-5)y=11x2+9x-2y
分配法則
[例]5(x+1)=5×x+5×1=5x+5、x(y+z)=x×y+x×z=xy+xz、(a+b)c=a×c+b×c=ac+bc
文字式の練習問題
文字式の基本をおさらいできたところで、練習問題に挑戦してみましょう。答えは記事の最後にまとめてあります。基本的な問題ばかりですが、文字式のルールに慣れるために何度も繰り返して取り組んでみましょう。
文字式のルールに慣れるまで問題演習に取り組もう
文字式で重要なのは表記と計算のルールです。種類を3つほど紹介しましたが、まずは表記と計算のルールを違反しないのを意識しましょう。数字だけであれば具体的で分かりやすかった人も、文字が入ってきて抽象的になると何をしているのか一気に分からなくなる場合もあるかもしれません。問題演習を繰り返して、慣れるのを心掛けましょう。