【高校数学の不定方程式】出題パターンに沿って解き方を解説!おすすめの勉強法も紹介

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【高校数学の不定方程式】出題パターンに沿って解き方を解説!おすすめの勉強法も紹介

高校生豆知識 2023.05.23

「不定方程式の解き方がわからない」

このように悩んでいませんか?

高校の数学で扱う不定方程式は、解き方や出題パターンがいくつかあるため、苦手としている人は多いようです。しかし、しっかり対策して繰り返し問題を解けば徐々に理解が深まるでしょう。

今回は、不定方程式の解き方を出題パターン別に解説します。おすすめの数学対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

<この記事で紹介していること>
・不定方程式の解き方
・不定方程式の出題パターン
・おすすめの数学対策方法

不定方程式とは?

不定方程式とは“方程式”よりも“未知数”の数の方が多く、解がいくつも存在する方程式を指します。「3x-2y=5」と「2x+y=1」の2つの方程式があれば、中学校で習った連立用定式を用いて「x=-1,y=-1」という解を得られます。2つの方程式に対して、未知数(xとy)が2つのため解が定まるのです。

では「3x+2y=5」のように、方程式が1つしか与えられない場合はどうでしょうか?方程式が1つに対して未知数が2つあるため、解を1つに定められません。このように、解が複数存在する方程式を“不定方程式”といいます。不定方程式の場合、解は無数にありますが「整数x,yの解」などと、求める解を整数に限定して出題される傾向がある点も覚えておきましょう。

一般解と特殊解の2つがある

不定方程式の解には以下の2つがあります。
・一般解
・特殊解

不定方程式の問題では、一般解と特殊解のどちらか、もしくは両方求める必要があります。それぞれの性質を解説するので、しっかり押さえておきましょう。

一般解

解が複数あっても一般的に成り立つ解を“一般解”といいます。言葉だけでは難しいかもしれないので、ひとつ例を挙げましょう。

「方程式2x-5y=0を満たす一般解を求めよ」と出題されたなら、一般解は「x=5k,y=2k」と文字を使って表します。このようにどのような整数を代入しても「2x-5y=0」が成り立つ解が“一般解”なのです。

一般解を求める問題文は、さまざまな表現があるため、何を答える必要があるのか判断できるようにしましょう。一般解を求める際の問題文の例を紹介します。

・~整数x,yをすべて求めなさい
・~整数x,yの組を求めなさい
・~整数x,yの一般解を求めなさい
・~の整数解を求めなさい

このように出題された際は一般解を答える必要があるため、覚えておきましょう。

特殊解

与えられた条件を満たす具体的な解を“特殊解”といいます。特殊解は、条件を満たしているなら、どのような数でも答えられます。

「方程式2x-5y=0を満たす整数x,yの特殊解を1つ求めよ」と出題された場合の解は「x=5k,y=2」です。このように、特殊解は具体的な解を答える必要があります。特殊解の出題形式は次の2つの場合が多いため、覚えておきましょう。

・~整数x,yの特殊解を1つ求めなさい
・~整数x,yの組を1つ求めよ

このように、特殊解の問題は、求める数が指定される点が特徴的です。しっかり覚えておき、一般解と間違えないようにしましょう。

不定方程式は「互いに素であるか」が重要

不定方程式は「互いに素であるか」が解き方に影響するため非常に重要なポイントとなります。「互いに素」とは「aとbの最大公約数が1である」という意味です。

「2x-5y=1」の場合は、2と5の最大公約数が「1」であるため、互いに素といえます。
「2x-6y=1」の場合は、2と6の最大公約数が「2」のため、互いに素とはいえません。

「互いに素である」状態の不定方程式は整数解を持つという性質があります。そのため、出題されている不定方程式に整数解が存在するか判断する際に用いましょう。

不定方程式の解き方

不定方程式の解き方は3つの方法があります。
・ユークリッド互除法
・因数分解
・対象式・分数型

解き方を押さえて、使い分けられるようにしましょう。それぞれ解説します。

ユークリッド互除法

最大公約数を求めるときによく使われるユークリッド互除法ですが、不定方程式の問題を解く際にも活用される場合があります。また、ユークリッド互除法が使えるのは、不定方程式「ax+by=1」の状態で、互いに素の場合でのみ使えるという点も覚えておきましょう。

ユークリッド互除法を使って実際に「109x+35y=1」の整数解を求める方法を解説します。

1.ユークリッド互除法をおこなう
109=35×3+4
35=4×8+3
4=3×1+1

2.「余り=割られる数-割る数×商」の順に並び替える
4=109-35×3
3=35-4×8
1=4-3×1

3.オレンジの式に黄色、青の順に代入していく
1=4-3×1
=4-(35-4×8)×1
=4×9-35×1
=4×9-35×(-1)
=(109-35×3)×9+35×(-1)
=109×9-35×28
=109×9+35×(-28)

以上から「109x+35y=1」を満たす整数解の1つは「x=9,y=-28」となります。ただし「109x+35y=2」のように、右辺が1ではないケースも出題されるケースもあります。その場合は一度「109x+35y=1」として不定方程式を解き「x=9,y=-28」を求めましょう。

「x=9,y=-28」は「109x+35y=1」として解いたため「109x+35y=2」を求めるには解を2倍する必要があります。よって求められる解は「x=18,y=-56」となります。

因数分解

因数分解を用いた解き方は、ユークリッド互除法が使えないときや、不定方程式「ax+by=1」の状態で互いに素ではない場合に活用できます。今回は「3x+2y+xy+5=0」を例に解説します。

1.因数分解する
展開すると「3x」と「2y」の項ができるように積の形で表す
「(x+2)(y+3)」

2.調整する
「(x+2)(y+3)」を展開する
「3x+2y+xy+6」
「3x+2y+xy+5」と「3x+2y+xy+6」だとつり合いが取れないため右辺に「1」を足す「(x+2)(y+3)=1」

3.解を求める
「(x+2)(y+3)=1」となるxyの組み合わせを求める
「(x,y)=(-1,-2),(-3,-4)」

以上から「3x+2y+xy+5=0」を満たす整数解は「(x,y)=(-1,-2),(-3,-4)」と導き出せます。

対称式・分数型

不定方程式は分数の形で出題されることもあります。「1x+1y+1z=1を満たす自然数の組を求めなさい」という問題を例に解説します。

1.仮定する
x,y,zの関係を「xyz」と仮定する

2.xの範囲を求める
xは「x,y,z」の中で最も小さい数のため以下の関係が成り立つ

3.xを求める
xは自然数かつ上記で求めた範囲のため「x=1,2,3」となる

4.求めたそれぞれのxを「1x+1y+1z=1」に代入する
「1x+1y+1z=1」のxに1,2,3を代入し、y,zの組み合わせを求める
x=1の場合は自然数の解が存在しない
x=2の場合は「(y,z)=(3,6),(4,4)」
x=3の場合は「(y,z)=(3,3)」

5.x,y,zの組み合わせを求める
以上より「xyz」と仮定した場合は(x,y,z)=(2,3,6),(2,4,4),(3,3,3)となる

6.仮定を解除する
最後に「xyz」の仮定を解除し、x,y,zの組み合わせを求める

よって「1x+1y+1z=1」満たす自然数は
(x,y,z)=(2,3,6),(2,6,3),(3,2,6),(3,6,2),(6,2,3),(6,3,2),(2,4,4),(4,2,4),(4,4,2),(3,3,3)と導き出せます。

不定方程式の出題パターン

不定方程式の出題パターンはいくつかありますが、大学入試などに出るのは以下の4パターンです。
・二元一次不定方程式
・因数分解が可能な二元二次不定方程式
・因数分解が不可能な二元二次不定方程式
・3文字以上の分数の不定方程式

それぞれの特徴や適した解き方を紹介します。

二元一次不定方程式

二元一次方程式とは、未知数が2つ、次数が1である不定方程式を指し「ax+by=c」のような形をしています。二元一次方程式を解くには、与えられた条件を満たす整数解を1つ見つけましょう。「5x+7y=1」のようにシンプルな形なら、自力で見つけられるかもしれません。ただし、x,yの係数や定数項が大きい場合はユークリッド互除法を活用しましょう。

因数分解が可能な二元二次不定方程式

二元二次不定方程式とは、未知数が2つ、次数が2である不定方程式を指し「ax²+bxy+cy²+dx+ey+f=0」のような形をしています。「()()=整数」の形に因数分解すれば、解の候補の絞り込みが可能です。絞り込めば、1つ1つ調べれば解を求められます。

因数分解が不可能な二元二次不定方程式

二元二次不定方程式でも因数分解できないパターンも出題されます。2次の項が因数分解できない場合は、判別式を利用して解きましょう。判別式がD0であることを利用すれば解を求められます。

3文字以上の分数の不定方程式

3文字以上の分数の不定方程式は「1x+1y+1z=n」のような形で出題されます。不等式で候補を絞ろうとしても、未知数の大小関係がわからなければ不便です。そのため対称式・分数型の方法で解きましょう。「xyz」と仮定しすれば解き進められます。

数学対策するなら『個別指導塾スタンダード』がおすすめ

不定方程式は解き方や出題パターンがあるため、苦手意識を持つかもしれませんが、繰り返し問題を解けば少しずつ理解できるでしょう。参考書などで勉強するのもよいですが、少しでも不安がある方や、これからより難しくなる数学の対策がしたい方は塾講師などのサポートを受けながらの学習がおすすめです。

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まとめ|不定方程式は出題パターンを見極めて適した解き方をしよう!

不定方程式は解き方や出題パターンがいくつかあるため、問題文を見て見極める必要があります。そのために、繰り返し問題を解いて少しずつ傾向を掴みましょう。『個別指導塾スタンダード』では、生徒一人ひとりが効率よく成績を伸ばせるように個別指導や、オーダーメイドのカリキュラムなどを導入しています。ぜひ近くの教室の無料体験授業を試してみてください。

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