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中高生の親御さん向け!!「三者面談」を有意義にするポイント
学年が上がるごとに三者面談がシビアになってきた。そう感じているのはあなただけではないかもしれません。三者面談は学年が上がり受験が近づくにつれ、目的や意味合いが変わってきます。どういった違いがあり、また親御さんはどういった準備・心構えをすればいいのかをまとめて紹介します。
学年別で三者面談の目的は変わる
三者面談とは、お子さん-先生-親御さんの三者で行う面談を指します。地方によっては「三者懇談」と呼ぶところもあるようですが、学校におけるお子さんの様子や卒業後の進路について親御さんを交えて話し合う場といってもいいでしょう。
三者面談は小学校の頃から行われてきたかと思いますが、中学・高校と学年を重ねるにつれて目的や重要度が変わってきます。学年別での違いを簡単にまとめてみましょう。
【中学1年生】
やることは小学校のときと大きくは変わりません。お子さんの普段の様子を先生が親御さんに伝えて情報共有する意味合いが大きいでしょう。また兄姉がいなくてその中学校にお子さんを初めて入学させる親御さんには、学校の雰囲気などを観察できる機会にもなります。
【中学2年生】
部活動や学校生活では主軸となる学年です。忙しくしている人もいれば、勉強も徐々に難しくなって遅れをとっている人もいるかもしれません。中学校生活に慣れたとしても中だるみをしていないか、また特に後半に実施される面談では卒業後の進路をどうするのかなどを話す機会になるでしょう。
【中学3年生】
卒業後の進路についての話がメインになります。成績をもとに志望校への合格見込みや他校(上下位校に志望変更)の提案を先生から受けるのがポピュラーです。公立校ではお子さんの状況にあった学校を提案されるのが一般的ですが、私立校の場合は合格に近い中からなるべく上位の学校への進学を先生から勧められることもあるでしょう。
また学校生活も残り数ヶ月になりますが、部活への取り組み方や学校行事への参加態度などの話が出ることもあるでしょう。とくにスポーツなどでの推薦入試を検討しているご家庭では気になるポイントかもしれません。過去の進学実績やそのときの対策などを先生から聞く機会にしてみてはいかがでしょうか。
【高校1年生】
中学1年時と同じく生活面での話があるでしょう。通学状況や人間関係が新しくなるため、戸惑う人がいるかもしれません。勉強の難易度も上がるため、つまずかないように先生と親子間で情報交換をしてみましょう。
また高校では進路の話が1年生の段階から出ます。2年生で文系・理系や社会・理科・芸術科目の選択がある学校では、1年生時から検討しておく必要があります。大学受験をする人は特に受験科目に関わるため、早めに決めて動かなければなりません。
【高校2年生】
学校に慣れて受験もない2年生ですが、思春期真っ只中のお子さんにとっては悩みも多い時期でしょう。先輩と後輩に挟まれて人間関係に苦労する人もいるかもしれません。子どもだけで行動する機会が中学生の頃よりも増えるため、生活面での変化など気になることは三者面談の機会に先生と相談してみてください。
また具体的な進路についてまで話題が広がる可能性があります。進学校の場合はお子さんの得意不得意・好き嫌いな科目を踏まえて進学先を検討し、志望校が明確なお子さんは資料請求や夏休みのオープンキャンパス参加などまで話を進めていきます。商業や工業の専門学科では、インターンシップで企業に行ったり、そのお礼状を書く練習をしたりしますので、そこでの活動内容などから将来の話に広がるかもしれません。
【高校3年生】
進学希望者は、成績や内申点から受験校の選定と受験方法を検討します。第一志望から受験校を挙げていきましょう。大学進学の場合は一般・推薦など受験方法によって受験対策も変わるため、どれで受験すればお子さんが有利そうかなどを三者で検討します。下宿先や浪人など、進学後の生活についても話が及ぶこともあるでしょう
また就職希望者は、夏以降から履歴書の書き方の勉強や面接の練習を学校で行います。学校にくる求人票を精査したり、志望する企業によっては遠方まで選考で足を運ばなければならなかったりと社会に出る準備を本格化するタイミングです。就職についての悩みなどを三者で話す機会になるかもしれません。
三者面談前に親子で確認・準備しておきたいこと
三者面談に臨む前に親子で事前にすり合わせをしておくのが望ましいです。面談の席でいきなり意見をぶつけ合っては、時間がかかるだけでなく、先生も困惑しかねません。たとえば下のような点を事前に話し合ってみましょう。
●学校生活について話す
先のことばかりに気を取られずに、学校生活でいま困っているものはないか確認してみましょう。中学・高校生は多感な時期です。先生に言えない悩みを事前に把握しておけば、三者面談の場で親御さんが間に入って解決の糸口を探れるかもしれません。
●家族関係の悩みについて話す
父親との関係が悪いなど、家族内での悩みをお子さんが抱えていないでしょうか。ゆっくり話をできる良い機会なのでお子さんに問いかけてみてもいいかもしれません。内容によっては先生に話さなくても良い場合もありますが、悩みを共有しておくと先生から客観的なアドバイスがもらえたり学校での問題行動に紐づけて話が広がったりする可能性もあるでしょう。
●成績を把握する
お子さんが恥ずかしがるかもしれませんが、テストや模試の点数は事前に知っておくといいでしょう。進路を検討する上で重要になるのはもちろん、内申点は先生の主観による部分もあるため、点数が取れているのに内申が低い場合はその理由などを面談の場で確認できるからです。
●進路(志望校)について話す
将来就きたい職業や行きたい学校(志望校)があるのかをお子さんに確認しましょう。将来のビジョンが明確なお子さんは、適えるための具体的な方法を三者面談の場で先生と協議できます。まだよく考えてられていないお子さんは親御さんと話すことで考えが深まる可能性もあります。
●受験の仕組みを確認しておく(大学受験前)
一般・推薦などの受験方法がある旨を紹介しましたが、特徴や違いを親御さんは理解しているでしょうか。親御さんが仕組みを理解していないと、お子さんと話しても、先生から提案されても内容が理解できない可能性があります。センター試験から大学入学共通テストに名前も変更されましたが、自分が受験したときの情報や感覚だけでなく、新しい情報をチェックしておきましょう。
●費用がかかる点を確認
とくに大学受験では、入試や進学には費用がかかります。合格後の入学金や授業料に加えて、受験時でも多く出願すればするほど受験料がかかります。遠方の大学の場合は宿泊費・交通費も発生するでしょう。入ったあとも、下宿するのか・家から通うとしても交通費がいくらぐらいになるのか・奨学金を借りるのかなど検討するポイントは多くあります。もちろん浪人についても話をしておくのが良いでしょう。
親御さんが心得たい三者面談に参加するときのポイント
事前の確認を済ませたら落ち着いて面談に臨みましょう。ポイントは、親御さんは一歩下がってお子さんが主体的に話せるようにすることです。親御さんが話しすぎて、お子さんが置いてきぼりになる状態は避けてください。
また先生の話を聞くのも大事です。自分の意見を伝えることばかりに気がいくと、先生からのアドバイスを引き出せなくなってしまいます。まずは先生の話を聞いてから、落ち着いて家庭の要望や悩みを打ち明けてみましょう。そのとき、なるべくお子さんの口から説明してもらい、自分ごととして問題意識を持たせるのも親御さんができる工夫といえます。
また先生を批判・論破するのは控えてください。先生は敵ではありません。生徒に問題がある場合は、ネガティヴな表現になるかもしれませんが、包み隠さず伝えなければならない立場なのです。お子さんのことになると頭に血がのぼる気持ちは分かりますが、親御さんは冷静に立ち振る舞って先生により味方になってもらうように努めましょう。
服装など三者面談で親御さんが悩むポイント
ほかにも三者面談のお悩みとして服装について悩まれる人も多いのではないでしょうか。正解があるわけではないですが、清潔感のあるスタイルでしたら問題ありません。ジャージのようなラフすぎ格好や肌の出た格好、派手な色味、ボディーラインが出るタイトな服も避けるのが好ましいとされています。
また何を話したらいいかわからない・相談内容が思いつかない人もいるかもしれません。緊張している可能性もありますが、先生の話をまず聞くのを意識してみましょう。先生は多くの親御さんを相手にしたプロです。先生の話を聞いている内に雰囲気に慣れて気になる点が出てくることもあるでしょう。親御さんが採点される機会でもないため、気を張りすぎずに臨んでください。
お子さんと先生の間で親御さんは冷静に立ち回ろう
三者面談で先生の話を聞いていると、先生のアドバイスが絶対のように感じる親御さんもいます。先生は冷静に情報を分析してプロの観点からアドバイスを行うからです。
しかし、先生のアドバイスが必ずしもお子さんに最適とは限りません。誰に何を言われても行きたい学校・叶えたい夢をお子さんが持っている場合は先生の考えと合わないかもしれないからです。お子さんの意見も尊重しつつ、先生のアドバイスも活かせるように親御さんは事前の準備や冷静な立ち回りに努めましょう。
監修:子育てアドバイザー/道山ケイ
親を変えることで子どもの成績を上げるプロとして活躍。年間3000組の親子をサポートし、約7割の親子関係が良好に変化。元中学校教師で、学級崩壊の地獄と学年最下位クラスを9ヶ月でTOPに変えた天国を経験。この体験から思春期子育て法を確立。 HP:https://tyugaku.net/