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自治体で子どもの相談窓口として活用広がる。親子間でも「LINE」を上手に活用しよう
国内のダウンロード数が7,300万を超えるコミュニケーションアプリ「LINE」。直接言えないことも、LINEでなら気軽に伝えられると、スマホ世代の子どもたちのコミュニケーション方法として広がっています。そこで今回は、「親子間でのコミュニケーション」をサポートするツールとして、LINEを効果的に使う方法をご紹介していきます。
夏休み明けの相談窓口としても。自治体に広がるLINE活用
子どもたちのいじめや自殺防止の取り組みとして、自治体がSNSを使った相談窓口を開設する動きが活発化しています。福島県では、今年2018年5月にいじめや自殺防止を目的に、心のサポート事業「ふくしま子どもLINE相談」を始めました。特別支援学校をふくむ福島県内の小中高校生を対象とし、悩みをLINEで送信すると臨床心理士の資格をもつ担当が、LINEで返答をくれるサービスです。来年2019年3月まで、毎日17時~21時の子どもたちがネットをよく使う時間帯にサービスを提供しています。
このようにLINEを使った子どもの相談窓口を設ける自治体が増えています。2017年9月からは長野県が、中高生を対象に9月10~23日の間でサービスを提供しました。1,579件のアクセスがあり、547件の相談にのることに成功しました。昨年2016年一年間の電話による相談が259件だったのに比べ、大幅に相談件数が増えました。今の子どもたちにマッチした方法と言えるでしょう。朝日新聞の調査によると2018年8月で25の自治体がLINEを使った相談窓口提供に取り組んでいるとのことです。
親子間で使いたいLINEの機能まとめ
ご家庭ではいかがでしょうか。共働き世帯で両親ともに忙しく、子どもも塾や習い事などで帰りが遅いなど、家族みんなが家に居てコミュニケーションをとる時間が少なくなっています。
そこで有効なのが家族のコミュニケーションツールとしての「LINE」です。LINEは「チャットアプリ」と呼ばれるサービスで、「チャット」は「おしゃべり」の意味。電話やメールよりも、気軽で日常的なコミュニケーションに適しています。「お腹空いた~」「今日の夕飯は何?」といった他愛のない話題も気軽に送れるため、コミュニケーションのハードルを下げてくれます。
すでにアプリを入れている人も多いとは思いますが、簡単にLINEの便利な機能をみていきましょう。
●スタンプで多彩な表現
子どもにとって、考えていることや気持ちを言葉で表現するのは抵抗があったり、難しく感じることがあるかもしれません。そこで役立つのが「スタンプ」です。感情を表すイラストを選ぶだけで、スピーディーに相手に送れるのがメリット。照れ臭くて言いづらいことや、悲しかったり、怒ったりしていることを表すスタンプを選べば、今の気持ちを伝え合うことができます。無料で使えるスタンプもありますし、親が購入して子どものスマホに贈ることができるので、子どもと一緒に手軽に使えます。自分で撮影した写真をスタンプにできる無料アプリ「俺スタンプ」なども使ってみるとおもしろいでしょう。
●家族みんなでグループ機能
LINEでは「グループ」機能も人気です。グループを作れば、複数人で同時に会話をすることができます。家族のグループを作れば、家族みんなにまとめて伝えられます。嬉しかった出来事やお祝いを送信すれば、家族みんなで盛り上がることでしょう。1対1のトークならば、プライバシーを守ることができます。こういった使い分けができるのも親子間では有効でしょう。
●他にもある便利機能
LINEにはまだまだ便利な機能がたくさんあります。簡単にまとめてみましょう。
「ノート」:文章を別送でき、あとで見返しやすくなる。送信後の編集も可能。
「位置情報」:居場所を共有して集合をスムーズにできる。
「日程調整」:イベントのスケジューリングを円滑にできる。
「バースデーカード」:誕生日になるとタイムライン上でリレー投稿が可能に。口頭で言いにくいときなどでも簡単に気持ちを伝えるツールとして使える。
「アナウンス」:メッセージを長押しして表示される。大事のメッセージをポップアップとして固定表示することで読み損ないを防げる。
「コミックメーカー」:コミックのコマの吹き出しに自分で考えたセリフを入れてタイムラインやトークに画像を投稿して遊べる。
ほかにも、LINEの決済機能での電子決済が使えるお店やサービスも増えていることや、災害時には既読表示の機能を利用した安否確認やLINEアカウントから自分の状況を簡単にタイムライン上に表示できる機能なども追加されていて、さらに便利になっていまます。新機能や新しい使い方はLINE公式ブログなどでチェックできますので、いろいろと使いながら試してみることをおすすめします。
直接は言いづらいことでも、LINEであれば素直に言えることだってある
冒頭のLINEを使った子ども相談窓口の例でも分かるように、顔を合わせながらだと言いづらいことであっても、「LINEならば…」とメッセージで伝えやすいことは大きなメリットです。しかし、LINEを使えばどんな子どもでも、心を開いてくれるということはありません。
子どもが気持ちを伝えやすくするには、普段からLINEで親子間のコミュニケーションを積極的にとっていることが大切です。子どもの「自分の意見や考え、感じていることを親に伝える」ことへの心理的ハードルを下げておきましょう。逆に、親も時には本音を見せておくことが有効です。上から目線で意見を述べるのではなく、互いに正直な気持ちを伝え合うようにしましょう。心を開いて、コミュニケーションを取ることの安心を実感できる機会を作っておきましょう。
双方が歩み寄り、子どもも親も自分の気持ちを伝える手段のひとつとして、LINEを上手に活用してください。
監修:高橋 慈子/ハーティネス代表取締役・テクニカルライター
1961年東京生まれ。1984年東京農工大学卒。
技術系出版社勤務を経て、テクニカルライターとして独立。1988年テクニカルコミュニケーションの専門会社、株式会社ハーティネスを設立。同代表取締役。技術的な情報をわかりやすく伝えることをテーマに、書籍、Webコンテンツなどの開発、制作に関わる。企業や業界団体でのビジネスライティング、ドキュメントの企画・制作の研修を提供。立教大学、大妻女子大学 非常勤講師。