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現役東大生直伝の4通り!「赤本」はこうやって使うべし
大学入試対策で重要なのが過去問対策。しかし、出題される問題は大学によって千差万別でどのように対策すればいいのかわからない方も多いでしょう。今回は多くの受験生が使う過去問集「赤本」の使い方について現役東大生監修のもとまとめてみました。
収録年数も多い過去問題集「赤本」
「赤本」とは、教学社が出版する大学・学部別過去問集『大学入試シリーズ』の通称です。表紙の色にちなんで「赤本」と呼ばれて親しまれてきました。赤本の特徴は、収録大学数の多さです。375大学608点が出版されており、駿台文庫が出版している『大学入試完全対策シリーズ』(通称「青本」)などと比べて多数の大学を網羅しています。
また、収録年数が旧帝大なら7年分、地方国公立なら5年分と、最多5年分の青本に比べても収録分多いのも特徴です。収録している大学にもよりますが、解答・解説が別冊になっているところもポイントと言えるでしょう。
問題を解く前に「傾向と対策」を読もう
収録している大学の傾向などが教科ごとで赤本には掲載されており、最近の出題傾向の分析がなされています。大学や学部によって必ずと言っていいほど出題される分野が記載されているので、ぜひチェックして対策するようにしましょう。
また、大学によっては出題形式が独特である場合もあります。安定して得点するには慣れが必要不可欠です。問題を何度も解くことはもちろんですが、"傾向と対策"の欄を読んで自分が受験校にどのような出題傾向があるのか確認しておきましょう。自分が苦手としている分野や出題形式があるのなら、早くそこをクリアしておくことで合格もグッと近づきます。
東大生が実践していた赤本の使い方
では、実際にどのように赤本を使えばいいのでしょうか。受験期を振り返って現役東大生が以下のような使い方をオススメしてくれました。
1.大問1問を時間を決めてやる
実際にどれだけの時間が割り振れるかを試験の合計時間から計算し、その決められた時間内にやってみるという方法です。この方法は比較的少ない時間で練習できるので日々の学習に取り入れやすいでしょう。また、苦手な大問を集中的に練習してみたいというときに採用してみるのもオススメです。
2.一つの問題にじっくりと取り組む
時間を気にせずにじっくり解くのも有効です。入試では時間内に解くことが厳しいと思われる問題があえて出題されることがあります。その問題が解けていなくても合格することがあるのです。そのような問題を"捨てる"判断も合格するためには必要になってきます。ただ、最初から練習する必要がないわけではありません。同じような問題が多年度に渡って出題されることはよくあります。そのため、時間はかかったとしても、考え方・解き方をじっくり研究する価値は十分にあるのです。
3.本番を想定して、実際の試験時間でやってみる
実際の時間でやってみることで、問題の選定など解答する上での作戦を立てる力を養います。何回か繰り返すことで試験時間の流れに慣れることができ、本番での落ち着きにもつながるでしょう。本番のシミュレーションになるので、この方法は直前期にやるのがおすすめです。時間が取れる時は複数科目を実際の試験時間割の順でやってみると科目の切り替えの練習にもなり、より臨場感のあるシミュレーションになります。
4.同じ大学の同じジャンルを扱った問題をまとめて解く
同じジャンルの問題をたくさん解いてみると、大学の"好み"に気づくことができます。どの年度にも共通する点があったり、年度はちがうが発想は類似した問題がずっと出ていたり。まとめて解くことで重点的に特定の科目が強化されるため、得意分野を伸ばしたり苦手分野を無くすのにも有効でしょう。『東大の英語 27カ年』や『早稲田の国語』など「難関校過去問シリーズ」というのが赤本にはあります。数十単位で同じ科目の問題がまとめて収録されているシリーズです。シリーズの名称のとおり、一部の難関校のものに限られますが、販売されている学校を受験する人はぜひチェックしてみましょう。
問題を解いた後のチェックで差がつく!!
解答解説のチェックは言わずもがな大事です。さらに、解説の最後の方にはその年度の難易度の傾向や合格する上で解答するのが特に望まれるキー問題などがコメントされています。そこも忘れずにチェックしておきましょう。自分の出来具合と比較してよかった点・よくなかった点を分析して次に活かしてください。
加えて、赤本だけでなく他の競合誌の解答解説も見ておくのがベターです。特に数学でよくあることなのですが、解答で提示されている解き方が出版社によって違う場合があります。一冊の解答だけでは着眼点を狭めてしまうかもしれません。赤本だけで満足するのではなく、可能であれば青本などの違う過去問集の解答をチェックしてみましょう。
また、「やった日付やできなかったところのメモを残す」・「付箋をつける」などして赤本を自分流にカスタマイズするのもいいでしょう。受験を通して何冊も買うものではありませんから、人生の一冊を愛情込めてボロボロになるまでやりこんで、ぜひ合格に近づいてください。
監修:東大勉強計画研究サークル 代表/関口大海
東大勉強計画研究サークル、通称「東大BKK」のBKKとは「勉強,計画,研究」の頭文字を意味します。「自分では勉強計画を立てられない受験生の力になりたい」という気持ちのもと、受験生のみなさんが勉強計画を立てるご支援をしています。現役東大生の「受験期の勉強計画ノート」を集めてサイトで公開し、また書き込んでそのまま使えるオリジナルテンプレートを開発して広くみなさんに向けて公開しています。