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冬の大三角をみてみよう!夜空で探してみたい「冬の星座」まとめ
冬は星が見えやすく、天体観測にピッタリな季節といわれます。上空をふく「ジェット気流(偏西風:へんせいふう)」のいきおいが冬には増し、空気中のチリやホコリがふき飛ばされてキレイだからです。湿度(しつど)が下がって空気がかわき、空気中の水蒸気もへって空気がすみわたるのも影響(えいきょう)しています。
星は一年中見られますが、とくに冬は明るい1等星が多く観測できます。肉眼でも見られるものも多く、望遠鏡(ぼうえんきょう)などがなくても楽しめるチャンスです。では実際にどんな星をながめればいいのでしょうか。代表的な星をまとめてみましょう。
オリオン座を目印に「冬の大三角」を探してみよう
冬にみたい星といえば、「冬の大三角」と呼ばれる3つの星が有名です。冬の大三角のある南の空をみながら、下の星を探してみましょう。
■オリオン座のべテルギウス
南の空に同じような明るさで等間隔(とうかんかく)に並んでいる3つの星を目印に「オリオン座」を探してみてください。“オリオン”とは、ギリシャ神話に出てくる狩人(かりうど)の名前です。星座絵では狩人の姿がえがかれ、右の脇(わき)の下にあたる部分の星が「ベテルギウス」です。1等星で非常に明るく、赤く見えます。上の絵にある三角形では、右上の頂点に当たる星です。
■おおいぬ座のシリウス
また下の頂点に当たる星が「おおいぬ座」の「シリウス」です。地球から見える恒星(こうせい)では、太陽以外で一番明るい星とされています。オリオン座の三ツ星を東に延長した位置にあり、青白く光っています。
おおいぬ座は、星座絵にすると頭を上にして右側に足をのばす猟犬(りょうけん)の形をしています。犬の口先にあたるシリウスの右側には、犬の前足としてえがかれている2等星「ミルザム」があるので探してみましょう。
■こいぬ座のプロキオン
おおいぬ座と同じく猟犬の星座絵でえがかれる「こいぬ座」は、「プロキオン」と「ゴメイサ」を結んでできる小さな星座です。オリオン座の方を向いておおいぬ・こいぬと2匹の犬がえがかれているのは、ともにオリオンの飼い犬だったという説の影響でしょうか。
上の絵では三角形の左の頂点としてえがかれているプロキオンは、白く光る星です。ベテルギウスとシリウスとは正三角形を成す位置(おおいぬ座と天の川をはさんで反対の位置)にあるので探してみましょう。
「冬のダイヤモンド」の6つの星も時計回りにチェック
大三角を見つけられたら、次は「冬のダイヤモンド」と呼ばれる星たちを観測してみましょう。大三角でもあるシリウスとプロキオンをふくむ6つの星を指すため、プロキオンの次の星から、シリウスの1つ前の星までの4つを時計回りの順番で紹介(しょうかい)します。
■ふたご座のポルックス
プロキオンから地平線を北の方にたどってみましょう。2等星「カストル」と並んで1等星の「ボルックス」が見えてきます。カストルの方が少し明るいですが、ふたごの兄として星座絵ではえがかれます。
また色の違いにも注目してみましょう。カストルは青白く、ポルックスはオレンジ色に見えるため、金星(きんぼし)・銀星(ぎんぼし)とそれぞれ呼ばれています。
■ぎょしゃ座のカペラ
しょうぎのコマのような五角形が目印です。オリオン座よりも北側に、天の川をまたぐ形で「ぎょしゃ座」は存在します。なかでも「カペラ」はシリウスに次いで明るい星です。黄色に光っているのも特徴(とくちょう)といえます。
■おうし座のアルデバラン
オリオン座の右上にある赤くかがやく1等星が「アルデバラン」です。アルデバランが牛の右目を表し、左上に角が2本のびた牛が星座絵でえがかれます。またおうし座の星座絵で背中のところでかがやく「プレアデス星団」にも注目しましょう。「すばる」の名前でも日本では有名ですが、ギリシア神話に登場する月の女神“アルテミス”に仕えていた7人娘の呼び名からきた神秘的な名前の星団なのです。5〜7個の星が集まっているのが肉眼でも分かるのであわせて探してみましょう。
■オリオン座のリゲル
オリオン座の星座絵にえがかれた狩人の右の脇にあたる部分の星が「ベテルギウス」でしたが、左足に当たるのが「リゲル」です。リゲルは“巨人の足”を意味する言葉でもあり、1等星で白くかがやく明るい星の名になりました。
親御さんといっしょに、星だけでなく月も見てみよう
冬の夜空で見られる代表的な星を紹介してきましたが、まだまだ多くの星座があります。夏に比べて暗くなるのも早く、19時を過ぎれば星が見えるので天体観測を楽しんでみてください。
また時間帯によっては、月が出ているかもしれません。月はきれいですがとても明るいため、他の星が見えにくくなってしまいます。冬の星座を見るなら、満月の前後は避けた方がいいでしょう。冬の外は寒いです。暖かい格好で、親御さんといっしょに出て夜空を見上げてみてください。
監修:「星のソムリエ®️」/小さな天文学者の会所属。/川本 寛之(かわもと ひろゆき)
独学で天体の勉強をはじめ、プラネタリウム勤務や資格取得までに至る。 勤務先で解説員を務めるほか、自身で天体の撮影をしたり解説動画をYouTubeにアップしたりもしている。