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早い学校は3月から実施!!中学受験を考える親子が知っておきたい「学校説明会」の心得
中学受験を考えている親子にとって、「学校説明会」は実際の学校の様子を見に行けるチャンスです。早いところでは3月から学校説明会を実施しています。しかし、特に初めて子どもが受験するご家庭では、学校説明会でどのような点をチェックすべきかなど分からないことも多いでしょう。今回は、そんなご家庭の保護者向けに、学校説明会で確認すべき大事なポイントを解説していきます。
学校説明会とはどのような機会なのかを理解する
まずは、学校説明会がどのような機会なのかを理解することから始めましょう。学校説明会は、受験生本人やその保護者を対象に行われます。教育方針・特色・教育内容・生徒の学校生活・入試に関する情報などについて学校の教員から聞くことができる機会です。基本的には校舎が会場となり、学校見学やオープンスクール・部活動体験などが組み込まれている場合もあります。
私立公立問わず学校は、自校の校風に合った生徒に多く受験してもらいたいと考えています。あらかじめ学校説明会を開催することで、受験生に対して学校の雰囲気などを理解してもらう機会としているのです。また、少子高齢化が進む中、受験生の数を確保したいという切実な思いを抱えている学校もあるでしょう。最近は、ただの説明だけに留まらずに「給食の試食会」や「授業見学」あるいは「在校生との相談会」など多様なコンテンツを用意している学校も増えてきています。
学校説明会で保護者がチェックすべき3つのポイント
多様化している学校説明会において、特に受験生の保護者はどのような視点から学校を見るべきでしょうか。ここからは学校説明会で保護者がチェックすべきポイントを3つ説明します。
学校の指導方針・教育内容
最も重要なのは、学校の指導方針や教育内容が、家庭での教育方針と方向性が同じかどうかを確かめることです。学校の指導方針や教育内容は保護者がイメージしている以上に多彩です。説明会で話される指導方針や教育内容の話にはしっかり耳を傾けましょう。この際、学校の指導方針や教育内容を良し悪しだけで判断するのではなく、家庭の教育方針と方向性が合っているか否かという視点でも確認することが重要です。
さらにいえば、学校の指導方針が教員にきちんと浸透しているか、という点もチェックしてみると良いでしょう。ふとしたタイミングで質問をしたとしても教員が自信をもって答えてくれるような学校は、指導方針が行き届いた軸のしっかりした学校だといえます。
学校の校風・在校生の様子
子どもは朝から夕方まで、1日の多くを学校で過ごすことになります。そのため、学校の校風や在校生の様子なども大事なチェックポイントとなります。
学校ごとで校風はさまざまです。生徒の自主性を重んじている学校があれば、逆に厳しい校則を設けている学校もあります。ここで大事なことは、説明会に行った学校の校風が子どもに合っているかをチェックすることです。多感な時期である中学生にとっては、学校の雰囲気が合わないことも苦痛になる場合があるからです。学校の雰囲気をチェックするのに在校生の様子を見るのがおすすめです。在校生は、その学校に進学した子どもの将来像と捉えてもいいでしょう。数年後に子どもがこうなるかもしれない・なっても大丈夫かという観点で在校生を見てみてください。「在校生になんでも質問してください」とオープンな姿勢を示す学校は、自分たちの教育に自信があるのだと思います。そんなところも学校を知るポイントです。
施設・設備などの目に見える環境
学校の施設や設備といった目に見える環境も重要なチェックポイントです。指導方針や進学実績などは資料やデータを見れば分かります。しかし、施設や設備などは実際に目で見ないと分からないからです。
具体的に言うと、例えば教室やトイレ・下駄箱などの状態をチェックしてみてください。これらが整っていれば、日頃からの掃除が行き届いた良い環境だと判断してもよいでしょう。学校の設備でやたらと壊れているものが目に付く場合には、もしかしたら校内環境が荒れてしまっている可能性もあります。そもそも、学校は教師にとっても「子どもたちを教え育てる」大事な場です。施設や設備など目に見える環境がキレイでなければ、教師が大事にすべき場所に対して気を配れていないと言っても良いでしょう。学校はホームページやパンフレットにはキレイな姿を載せるものです。学校説明会は本当の姿を自分の目で確かめられる貴重な機会といえます。
※学校の選び方については、過去記事【小学3年生の3学期が始めどき!?「中学受験」に向けて親が行うべき準備の基本】でも紹介しました。こちらの「学校選びの7つのポイント」なども参考にしてください。
保護者にとっても、春の学校説明会は「慣れる」チャンス
春に行われる学校説明会は、保護者にとっても「慣れる」機会であると捉えてもよいでしょう。特に受験が初めての場合には、保護者にとっても初めてのことばかりで手詰まりになってしまうかもしれません。まずはさまざまな学校の説明会に足を運んでみて、学校同士を比べられる目を養うことが重要です。子どもの人生で受験は数えるほどしかありません。保護者のみなさんも積極的に参加してみてください。
監修:教育ジャーナリスト マザークエスト代表/中曽根陽子
教育機関の取材やインタビュー経験が豊富で、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、テレビやラジオなどでもコメントを求められることも多い。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱し、講演活動も精力的に行っている。また、人材育成のプロジェクトである子育てをハッピーにしたいと、母親のための発見と成長の場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『後悔しない中学受験』(晶文社出版)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)など著書多数。ビジネスジャーナルで「中曽根陽子の教育最前線」を連載中。 オフィシャルサイトhttp://www.waiwainet.com/