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まずは語彙を増やして基礎固め。東大生が語る「現代文」攻略の3ステップ
勘やセンスで現代文の問題は解いてしまっている、という人はいませんか? 日本語だから読めるが、なんとなくで解いてしまっている。正解しても根拠が示せない。間違ったとしてもどこが違うのかが理解できない。そういったみなさんに現代文を攻略する力を養っていただくために、勉強や解答の方法を現役東大生監修のもと3ステップでまとめてみました。
ステップ1:語彙を増やして「基礎固め」
まずは基礎を固めましょう。現代文が苦手な人は、毎日少しずつでもいいので、本や新聞などできれいな文章に触れる習慣を身につけてください。小手先の技術ばかりを身につけるのではなく、日々の読書習慣から改善していくのが大事です。
また語彙を増やし、基礎的な漢字が書ける力も養いましょう。分からない言葉は意味を調べ、漢字は読み書きできるように覚える習慣をつけてください。定期的に問題集などで確認・練習をしましょう。
ステップ2:本文を正確に理解できる「読解力」を磨く
次は、読解力を磨きましょう。評論文でも小説文でも、問題に対する答えは本文の中にあります。特に小説文の問題では主人公や登場人物に感情移入しすぎて、自分の都合のいいように解釈して間違ってしまう人もいます。主観や先入観を持たずに、客観的な事実から内容を読解できる力を養いましょう。
・本文を読んで大事なところに線を引く
現代文では問題文や選択肢を先に見てはいけません。惑わされるだけです。接続詞に着目しながら、文と文、段落と段落の論理構造や話の展開を考えながら読んでください。
[練習]
各段落のなかで筆者がもっとも言いたい主張を探して線を引いてみましょう。指示語や代名詞が指している内容も確認しつつ、チェックを入れながら一文ずつ読んでください。
・段落ごとで要約を作る
段落ごとの理解を深めるために要約を作りましょう。小説文の読解で大切な状況整理(いつ・どこで・誰が・何を・どうした)や、論理関係の把握ができるようになります。
[練習]
線を引いたところを中心にして、段落ごとで40文字程度の要約を書いてみましょう。「しかし」などの逆説や「つまり」・「なぜならば」などの要約や根拠を示す接続詞やワードのあとの文章も要点なので押さえてみてください。
ステップ3:明確な根拠を示せる「解答力」を養う
用語や漢字を覚えて読解力がついてきたら、「解答力」を上げましょう。解答力とは、正しい解答を自分で導ける力であり、根拠を明確に理解しつつ、端的に表現できる力といえます。問題が難しくても、“たぶん”や“なんとなく”で答えてはダメです。あくまで文中にある根拠を追求した上で正解しなければ学習の効果がありません。一回一回の演習で文中にある根拠を明確にし、聞かれた質問に対して適切な形で解答を作れているかを突き詰めていく練習をしましょう。
・問題文を確認する
何を問われているのかをハッキリさせましょう。「〜とありますが、なぜですか」や「〜について説明しなさい」など、よく出される設問のパターンは覚えておくと有効です。
[練習]
問題文の要素を文節や単語で区切って、何を問われているのかを明確にしましょう。特に、傍線部の解釈は曖昧なままにしないでください。
・解答を自分で記述する
自分で解答を書くためには、勘に頼るわけにはいきません。設問に対して適切な受け答えになっているかを注意しながら、解答を自分でまずは手書きしましょう。自分で手書きすることによって、明確な根拠を示して正解を導き出せたのか、さらに間違ったときにどこをどう間違えたのかを明白にできます。記述問題がある大学を受験する人は大前提になるので、先生に添削してもらいながら書く練習をしてください。
[練習]
マーク式の問題であったとしても、記述問題として答えを自分で書いてみましょう。
・選択肢を分析する
最後に選択肢を見て、どれが違うかを確認する作業です。先に自分で書いた解答と照らし合わせて、選択肢との相違点を確認していきます。このとき、明らかに違う内容を述べている選択肢をはじいていく「消去法」が効率的です。間違った選択肢ほど本文中に出てきた言葉を使っている傾向がありますので、注意深く見る癖をつけてください。また最後の二択で迷った場合は、闇雲に本文を見て根拠を探しに戻る前に、二つの差異を明確にするようにしましょう。
[練習]
文節や単語で要素ごとに区切って、選択肢を比較しましょう。
問題集1冊を徹底的に読解して、どんな問題にも対応できる力を
暗記が鍵となる英語や社会とは違い、現代文はかけた時間と成績の向上が直結する科目ではありません。コスパの悪い科目とさえいえます。だからこそ、たくさんの問題を解くよりは、一冊の問題集の本文を徹底的に読解して自分で解答を記述し、読解力と解答力を磨くのが現代文を攻略する最短ルートなのです。
問題集を解く以外にも、現代文の勉強はできます。分からない言葉を辞書で調べるほかにも普段の会話から内容を深く掘り下げたり因果関係を明確にしたりする習慣をつけるのも有効でしょう。なんとなく今までやっていた現代文でも、明確な根拠を示して解答できるように今日から意識して勉強していきましょう。
監修:東大勉強計画研究サークル 代表/関口大海
東大勉強計画研究サークル、通称「東大BKK」のBKKとは「勉強,計画,研究」の頭文字を意味します。「自分では勉強計画を立てられない受験生の力になりたい」という気持ちのもと、受験生のみなさんが勉強計画を立てるご支援をしています。現役東大生の「受験期の勉強計画ノート」を集めてサイトで公開し、また書き込んでそのまま使えるオリジナルテンプレートを開発して広くみなさんに向けて公開しています。