2〜3分泣くだけでもストレス解消にも有効。勉強のあいまにやりたい「涙活」のすすめ

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2〜3分泣くだけでもストレス解消にも有効。勉強のあいまにやりたい「涙活」のすすめ

イライラやムカムカしているときに泣くと気分がスッキリする、そんな経験をしたことはありませんか? 「涙活(るいかつ)」と呼ばれてメディアでも取り上げられていますが、いったいどのようなメカニズムで気持ちが落ちついているのでしょう。中学生のみなさんも、勉強のあいまなどにストレス解消の一環としてチャレンジしてみてください。

「涙活」の始まりは離婚式!?

「涙活」の始まりは離婚式!?

涙活とは、文字通り涙を流して泣くことによってストレス解消を図る行為です。長さは2〜3分程度でも大丈夫で、自分から積極的に涙を流して心の浄化(カタルシス)を図ります。涙活の提唱者は、離婚式プランナーの寺井広樹さん。離婚を機に涙を流しつつも、泣き終わったあとにスッキリした顔をしている点に寺井さんが着目したことから涙活は始まりました。

メディアが取り上げて認知が広がった影響もあり、映画鑑賞会や朗読会はもちろん、泣けるネタに特化した人情噺を聞く「泣語(なくご)」の会も開催されています。ほかにも温泉や鉄道会社、結婚情報サイト、地方都市などともコラボしたり、イベントや関連企画もたくさん生み出されています。

泣くことで副交感神経が優位になる

泣くことで副交感神経が優位になる

なぜ泣くとストレスが解消されてスッキリするのでしょう。それは、人間が涙を流すときに副交感神経が働いて身体をリラックスさせてくれているからなのです。人間が生きていくうえで、体の臓器や分泌腺を支配している「自律神経」のバランスを整っていることはとても大切です。自律神経とは、交感神経とさきほど出た副交感神経の2つから成り立っています。

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・交感神経:がんばるときに働く神経。勉強や運動などがんばるぞと力が入っているときに働く。
・副交感神経:リラックスするときに働く神経。好きなテレビや音楽を聴いていやされているときや寝ているときに働く。
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涙を流して泣くと、より副交感神経が刺激され、ストレスによる苦痛を和らげてリラックスした気持ちになっていきます。また、一般的にはストレスがたまると呼吸が浅くなるといわれていますが、泣くことでリラックスした気持ちになるので、筋肉が緩み、体全体の緊張がほぐれる効果も期待できます。

感情がゆさぶられて出る涙にこそ効果がある

感情がゆさぶられて出る涙にこそ効果がある

単純に涙を流せばいいというものでもありません。たとえば、玉ねぎを包丁で切っていると涙が出てきた経験がある人も多いでしょう。これは反射性の涙といって、目の角膜に刺激を受けることで、涙が出ています。涙が出ているからいいかと思いきや、映画や朗読などに触れて、感情が動かなければ涙活的な意味はありません。またドライアイを防ぐために、自然と涙は出てきます(基礎分泌といいます)が、これも感情が揺さぶられる訳ではないので、涙活的な意味はありません。

ドラマチックなハッピーエンドに共感して泣くのはもちろん、悲しい経験がもとになった涙でも効果が期待できるといいます。自分に直接的な関係がなかったとしても、作品の登場人物などに気持ちを重ね合わせて「共感」できるかが大事です。感情的な涙を流す裏には、みなさんが日頃からガマンしてため込んでいる感情があり、その感情が表に出てきたからかもしれません。

みんなの前やお風呂で泣いてみよう

みんなの前やお風呂で泣いてみよう

ガマンや緊張している場面を有効に使えば、涙活の効果をより大きくできるといわれています。たとえば人前だとみなさんも緊張するのではないでしょうか。ですが、人前などの緊張して交感神経が優位に働きそうな場面で感情的な涙を流せることはより深くリラックスできている証拠なのです。何十人・何百人の前でなくても、数人でカラオケに行ったときに泣くのも効果的です。友達や家族と一緒にでかけて試してみてはいかがでしょうか。

さらにお風呂に入ってお湯に浸かりながら泣いてみるのもいいでしょう。上半身の力を抜いて身体を楽にし、おへその下4〜5センチぐらいを意識しながら呼吸してみてください(丹田呼吸/複式呼吸)。お湯が熱いとのぼせてしまいますので、38度くらいのぬるめのお湯にゆっくりと浸かりながら人には言えない気持ちを自問自答してみましょう。ガマンしていた本当の自分の気持ちを見つめ直している間に、自然と涙が流れてくると涙活大成功です。ぜひ涙活によってストレス解消し、勉強や部活などをがんばってみてください。

井上智介

監修:井上智介

島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び2年間の臨床研修を修了する。 その後は、精神科医、産業医の2つの役割を中心に活動している。精神科としては、うつ病、発達障害などを中心にして、全般的に精神科疾患を対応している。産業医としては、毎月30社程度を訪問して、精神科医や健診医の経験もいかして、労災や健康障害の防止の活動している。さらに、全ての国民に医療情報の正しい理解を目標にして個人ブログやSNSを活用するだけでなく、コラムを担当したり、全国で講演したり、精力的に医療情報の発信を続けている。