夏休み明けに控えているとしたら。親御さんが心得たい子どもを「転校」させるときのケア

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夏休み明けに控えているとしたら。親御さんが心得たい子どもを「転校」させるときのケア

小中高教育 2019.08.22

「転校」によって生活環境が変わり苦労した経験をお持ちの方も多いでしょう。大人になって自分の都合での転勤や異動ならばともかく、子どもの頃に親の都合で転校を経験した方はいろいろと思うところもあったかと思います。今、子どもたちは夏休みです。夏休み明けにお子さんを転校させなければならないとしたら。どのようなケアをお子さんにしたらいいのかをまとめてみましょう。

転校で友達との別れと新しい環境への参加が子どもに強いられる

転校で友達との別れと新しい環境への参加が子どもに強いられる

転校には、今の友達との別れが付き物です。某引っ越し会社が実施した「転校生に関する意識調査」によると、転校といわれて嫌だった子ども(全体の57%)のうち、約8割が友達やクラスメイトとの別れを理由として回答しました。子どもたちの友情に大人が割って入る点は理解が必要です。

さらに転居後は、新しい環境に順応しなければなりません。学校で新たな人間関係を作るのはもちろん、その土地にも馴染む必要があります。必ずしも順風満帆な生活が保障されていない状態においては、ふだんは動じない子でもストレスを感じやすい点は頭に入れておきましょう。

学年・タイミング・土地柄によって、転校の重みは変わる

学年・タイミング・土地柄によって、転校の重みは変わる

●子どもの学年 ~低学年ほどハードルは低い~
小学校低学年であれば、クラスに転校生が来たことを、「新しい友達が増えた」と素直に受け入れてくれる傾向がみられます。授業の進みも大きくは変わらないので勉強面でもまだギャップを感じにくい時期といえるでしょう。遠方の学校に転校する場合は、方言の違いなどで話すのを嫌がる子もいますが、時間が経てば慣れてしまいます。
反対に、小学校高学年以降はなじむのに時間がかかってしまうかもしれません。グループがある程度形成されている場合が多いので、性格によって溶け込むのに時間がかかるケースが見られます。また転校先の方が、授業が進んでいたりすると、大変だと感じる機会も増えてしまいます。

●転校の時期 ~進級時より夏休み明けの方が大変~
進級時で転校できれば環境への順応はしやすいといえます。クラス替えで周りの子どもたちも関係性をイチから作る場合はとくに馴染みやすいでしょう。授業のカリキュラムも学年単位で決められているため、進み方を気にする必要もありません。
ですが、夏休みのような長期休暇明けを含む学期の途中からでは、さまざまな面でハードルが高くなります。転校生として気遣いはされるものの、クラスやクラブなどの雰囲気も完成している・終わってしまった行事がある・学校指定の用具が販売時期でないためすぐに購入できないなど、子どもたちがとまどう場面が増えてしまうようです。

●土地柄 ~子どもだけでなく、転勤族は親も努力が必要~
学校だけでなく、住む環境の変化からも子どもは影響を受けます。転勤族の家庭が多かったり新興住宅地だったりすれば、転校生として同じような境遇の子どもが友達になってくれる可能性も高まります。
逆に、出入りの多くない地域では、転校生自体が少ないのでお子さんが苦労するのはもちろん、親同士のコミュニティに入るのに親御さん自身も苦労するかもしれません。

理由をしっかり説明し、友達とずっとつながっていられる手立てを

理由をしっかり説明し、友達とずっとつながっていられる手立てを

転校を迎えるお子さんのために、親として何をしてあげられるでしょうか。 まずは転校する理由をしっかり説明してあげましょう。勝手に転校させられたとお子さんが思ってしまうと、引っ越ししたあとの生活でつまずく要因になりかねません。

そして、これまでの友達に「ありがとう」を伝える会を開いたり、今後どうやって連絡を取っていくかを決めておいたりするのも、子どもにとっての安心材料になります。転校後も、みんなとずっと友達でいられる実感を得やすい手立てを考えてあげましょう。

今は私たちが子どもの時代よりも、ずっと簡単に連絡が取れるようになっています。たとえばメールをしたりスカイプをしたり、離れていてもつながり続けられる時代です。高学年の子ほど、転校で友達と離れることを辛く感じやすいですが、逆にメールなどの現代のツールに長けているのも高学年ならではの強みです。それを活かし、転校を「別れ」にせず、「つながり」にできることを伝えてあげましょう。

転校がポジティブになるような上手なフォローを

転校がポジティブになるような上手なフォローを

転校すると、これまでの友達と直接会う機会は減ってしまいますが、友達でなくなってしまうわけではありません。さらに、新しい学校では新しい友達が待っています。転校をすると、知り合う友達が増えるのは事実なので、良い側面を伝えてあげるのも大事です。

転校によって環境の変化に対応できる力がお子さんに養われるなどもポジティブな側面でしょう。その力を促すためにも、親御さん自ら、引っ越しによって失うことよりも、得られることに意識的に目を向けていきましょう。親の姿勢は子どもに伝わります。

とくに、休み明けに新しいクラスに交わるのは、どの子にとってもプレッシャーになるものです。お子さんにとって転校ができる限りスムーズになるように、いつもより少し距離を短くとって、お子さんの気持ちに気づいてあげられるようなフォローをがんばりましょう。

監修:佐藤めぐみ

監修:佐藤めぐみ

ポジティブ育児研究所 代表 & 育児相談室「ポジカフェ」主宰 イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの検定事業、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。

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