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38℃以上の熱は要注意!10月から予防接種が始まった「インフルエンザ」とはどんな病気?
注射は好きですか?あなたはきらいかもしれませんが、病気を治したり予防したりするのに役立つ注射は優れものなのです。そして「インフルエンザ」を予防する注射(予防接種:よぼうせっしゅ)が10月から受けられるようになりました。学校で名前を聞いた病気かもしれませんが、どのような病気でどのように予防すればいいのかをまとめてみましょう。
38℃以上の熱が出たらインフルエンザかも!?
インフルエンザはカゼと似ています。熱・のどの痛み・鼻水・せき・くしゃみ・寒気などの症状(しょうじょう)がカゼのときもみられるでしょう。ただ、ゆっくりと症状が現れるカゼとちがい、インフルエンザでは急に現れます。
さらにカゼよりも重症(じゅうしょう)な場合が多いです。熱が出るときも38℃以上の場合が多かったり、頭痛や関節痛・筋肉痛などの痛みやだるさ(倦怠感:けんたいかん)が全身で感じられたりします。
A・B・Cに新型と、インフルエンザには種類がある
インフルエンザには種類があります。とくに日本で毎年流行するのがA型です。“季節性インフルエンザ”とも呼ばれ、毎年少しずつ性質を変えながら人に感染しています。
また新型インフルエンザは、いつどこで発生するか分かりません。性質が今までと大きくことなる場合は、ワクチンなどの効果も期待できないのです。新型が発生すると世界的な大問題になります。
日本のインフルエンザは1月末~3月のはじめがピーク
インフルエンザは流行する時期がかぎられます。年間を通じて発症(はっしょう)するカゼとの大きなちがいといえるでしょう。日本では例年12月から4月ごろに流行し、1月末から3月のはじめがピークです。毎年おおよそ1000万人が感染するといわれ、10人に1人はかかっている計算になります。
ほかの国でもインフルエンザは流行します。温帯の地域では日本と同じ冬の時期に感染が広がります。冬といっても、北半球にある日本とは夏冬が逆な南半球の地域は6〜9月ごろになります。また熱帯・亜熱帯地域では国や地域によってバラバラです。年間を通じてウイルスが確認されている地域や、複数回にわたって流行している地域もあります。
飛沫感染か接触感染でウイルスが体内に
インフルエンザにはウイルスが体内に入ることで感染します。感染方法は「飛沫感染(ひまつかんせん)」と「接触感染(せっしょくかんせん)」の2つです。飛沫感染とは、感染者のせきやくしゃみによってウイルスがまかれ、別の人の口・鼻・目の粘膜(ねんまく)から感染する場合です。学校や電車などの人が集まる場所では注意しなければなりません。
接触感染は、感染者がせきやくしゃみを手でおさえたあとに、ツバや鼻水がついたままの手で周りのものにさわったためにウイルスが広がる場合です。ウイルスがついたものをさわった別の人がそのまま口や鼻をさわって感染します。電車やバスのつり革・ドアノブ・スイッチなど人がさわるところに注意が必要です。
予防接種に加えて、手洗いやマスクで感染を防ぐ
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●手洗い:せっけんをつかい、指の間・手の甲まで両手をこすって泡立てる。流水で最低20秒間洗い流し、清潔なタオルでしっかり拭き取る。アルコール消毒をするのもよい
●うがい:口の中を水でゆすいで、はき出す。もう一回水を口にふくんだら“ガラガラ”を10〜15秒間して、はき出す
●部屋の空調:温度は18〜20℃、湿度(しつど)は50〜60%
●バランスのよい食事と十分な休養:ウイルスに負けないように体に力をつける
●マスク:口からの飛沫感染を防げる
●人の多い場所に行かない:ウイルスが広まっているところは危ない
●予防接種:13才未満は2回
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予防方法として代表的な7つを挙げてみました。とくに予防接種をしておけば、感染しても発症する可能性を低くする効果や、発症したときの重症化を防ぐ効果が期待できます。
また2回うけた方が「抗体(こうたい)」がより多く作られて、予防効果が高くなります。人間の身体にウイルスやバイ菌が入ると、これらをやっつける薬のようなものが自然と身体の中で作られます。この薬のようなものが抗体です。予防接種はわざとウイルスやバイ菌を身体に注射して、身体に抗体を作らせているのです。注射液のウイルスやバイ菌はほぼ死んでいるため、病気に感染する心配はありません。
予防接種は、12月の中頃までにうけるのが望ましいです。さらに毎年変化するウイルスにあわせてワクチンも成分などが変えられています。去年うけた人も、またうけましょう。
インフルエンザかなと思ったらすぐに病院に
インフルエンザにかかったら家で休んでください。症状がでてから3〜7日間かつ熱が完全に下がって2日後までは、自分からウイルスが広まるおそれがあります。学校など人の集まる場所に行ってはいけません。家族にもうつさないようにマスクを付けてください。
また、くしゃみやせきを他人に向かってするのは避けましょう。マスクがなくてくしゃみなどが出るときはティッシュや手で口をふさいでください。そして、ツバや鼻水がついたティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手も洗いましょう。
何より病院でみてもらうのを優先してください。急性脳症(きゅうせいのうしょう)など重症化する危険性もあります。38度以上の熱など上でまとめた症状がある場合は、親御さんに相談して病院に行きましょう。
監修:道川内科クリニック/院長・道川尚彦
東京都台東区にて内科・循環器科・血液内科の診療を行う。先代から当院を引き継いで6年目。地元の患者さんを診察するほか、看護学校で教鞭をふるうなど、地域医療の発展に努める。日本内科学会認定内科医。総合内科専門医。日本血液内科学会専門医。下谷医師会理事。 東京都台東区入谷2丁目24−11 TEL:03-3873-1271