「英検」の合格点は何点? 試験内容や受験前の準備を確認しよう!

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「英検」の合格点は何点? 試験内容や受験前の準備を確認しよう!

「英検」を受験した経験はありますか? 高校生であれば、中学生の頃に受けた経験がある人もいるかもしれません。ただ、2016年度から仕組みが変更され、合否だけでなく細かい点数まで開示されるようになったのは知らない場合もあるのではないでしょうか。

受験者には中高生も多くみられる「英検」とはどのような検定試験なのか、合格点や勉強方法などをまとめてみてみましょう。

「英検」は高校・大学入試でのメリットもある

「英検」は高校・大学入試でのメリットもある

正式には「実用英語技能検定」ですが、「英検」の呼び方で日本に浸透している検定試験です。日本英語検定協会が主催しており、2018年度実施分では年間385万人以上の志願者が集まる国内でも知名度トップクラスの検定のひとつに挙げられます。

学生が英検を受験するメリットとして、入試での優遇が受けられるのは大きいでしょう。高校入試では3級以上の取得で評価の対象とされている場合が多いです。大学入試では英語の評価を加点もしくは満点扱いするケースなどがみられます。さらに英語力の証明として世界各国の教育機関でも認められているため、海外留学を検討している人にもメリットがあるといえます。

また従来の英検に加えて、準1級・2級・準2級・3級では会場に設置されたコンピュータをつかった「英検CBT(Computer Based Testing)」での受験も可能になりました。内容や難易度・採点基準は従来の英検と同じなのに、1日で試験が完結できます。さらに、年3回実施されている従来の英検と英検CBTは併願が可能のため、チャレンジする回数が増やせる魅力もあります(注意:英検CBTは毎月実施されているが、1検定回につき各級の受験は1回のみ)。

国際標準規格CEFRにも対応の「英検CSEスコア」

国際標準規格CEFRにも対応の「英検CSEスコア」

英検CBTの開始のほかにも、英検には変更点があります。大きなポイントとして挙げられるのは「英検CSEスコア」の表示でしょう。従来の英検では合格か不合格の判定だけでしたが、2016年度から技能別のスコア表示がされるようになりました。

英検CSEスコアは、国際標準規格「CEFR」(セファール/Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)にも対応したスコアとして認定されています。欧州でメジャーかつ20年以上の研究実績のあるCEFRへの対応によって、国際的な尺度として英検CSEスコアが活用できるようになったのです。詳しい特徴をまとめてみましょう。

---【英検CSEスコアの特徴】---
●各技能をスコア化:リーディング/リスニング/スピーキング/ライティングの4技能を評価軸に採用。「英検バンド」によって合否までどれくらいの差があるのかを確認しやすくなった。
●統計的手法でスコアを算出:多くのパラメーターに対応して問題ごとの配点が変化。正答数が同じでも回ごとにスコアも変わり、客観的に英語力を測れる。
●各技能のバランスが重要:技能ごとでの配点を同じ点数に変更。スコア表示によって得意・不得意が明確になり、対策はしやすくなった。
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たとえば2015年度変更前の準一級一次試験では、リーディング51点・リスニング34点・ライティング14点と技能ごとで配点に差がありました。そのため、ライティングが苦手な人でもリーディングやリスニングで多く正解すれば合格になっていたのです。

しかし2016年度の英検CSEスコア導入時より、3つとも750点ずつで統一されました。すると下の計算のように、得意な技能で点をとっても苦手な技能で点を落とせば不合格になるように変わったのです。

[2015年度以前]
リーディング:51/51点
リスニング:34/34点
ライティング:0/14点
合計:85/99点→約86%→合格の目安である7割を超えているため合格

[2016年度以降]
リーディング:750/750点
リスニング:750/750点
ライティング:0/750点
合計:1500/2250点→合格基準スコア1792より下のため不合格

英検の試験内容と合格点を級ごとに見てみよう

英検の試験内容と合格点を級ごとに見てみよう

先の説明でも出てきましたが、英検ではリーディング/リスニング/スピーキング/ライティングの技能別でテストが実施されます。一次試験で筆記(リーディング+ライティング)とリスニング、二次試験でスピーキングの能力が測られます。

ただ測定技能や合格点などは級によって異なります。下にまとめてみましたので、あなたが受けようと考えている級を確認してみましょう。

英検の試験内容と合格点を級ごとに見てみよう

■5級
・試験レベル:中学初級レベル
・測定技能:3技能(リーディング・リスニング・ライティング)
・試験時間:一次試験=筆記25分+リスニング約20分(+スピーキング[録音])
※スピーキングテスト単位での合否が決まるが、級認定に影響はなし
・合格点:一次試験=419点/850点、スピーキングテスト=266点/425点

■4級
・試験レベル:中学中級レベル
・測定技能:3技能(リーディング・リスニング・ライティング)
・試験時間:一次試験=筆記35分+リスニング約30分(+スピーキング[録音])
※スピーキングテスト単位での合否が決まるが、級認定に影響はなし
・合格点:一次試験=622/1000点、スピーキングテスト=324/500点

■3級
・試験レベル:中学卒業レベル
・測定技能:4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)
・試験時間:一次試験=筆記50分+リスニング約25分+スピーキング[面接]約5分
・合格点:一次試験は1103/1650点、二次試験は353/550点

■準2級
・試験レベル:高校中級レベル
・測定技能:4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)
・試験時間:一次試験=筆記75分+リスニング約25分+スピーキング[面接]約6分
・合格点:一次試験は1322/1800点、二次試験は406/600点

■2級
・試験レベル:高校卒業レベル
・測定技能:4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)
・試験時間:一次試験=筆記85分+リスニング約25分+スピーキング[面接]約7分
・合格点:一次試験は1520/1950点、二次試験は460/650点

■準1級
・試験レベル:大学中級レベル
・測定技能:4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)
・試験時間:一次試験=筆記90分+リスニング約30分+スピーキング[面接]約8分
・合格点:一次試験は1792/2250点、二次試験は512/750点

■1級
・試験レベル:大学上級レベル
・測定技能:4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)
・試験時間:一次試験=筆記100分+リスニング約35分+スピーキング[面接]約10分
・合格点:一次試験は2028/2550点、二次試験は602/850点

英検合格のための勉強方法4選

英検合格のための勉強方法4選

英検がどういう試験なのか分かり受けてみたいと思ったら、次は合格に向けて勉強を始めましょう。具体的な方法を4つ紹介しますので、ぜひトライしてみてください。

●過去問を解く
あらゆる試験・テストにも言えますが、過去問で傾向をつかみ対策するのは有効です。似たようなパターンの問題が繰り返し出題されているのは、すべての技能のテストで当てはまります。書店で販売されているほか、英検協会の公式ホームページにも過去問は掲載されています。試験本番が近づいてきたら、試験本番と同じ時間配分で解いておくのが有効です。リスニングまで含め過去問を繰り返し解いて、問題形式や時間配分などを把握しておきましょう。

●語彙力をつける
中学生であれば5級から準2級、高校生であれば3級から準1級の受験を考えている場合が多いのでないでしょうか。5級で約600語、4級で約1,300語、3級で約2,100語、準2級で約3,600語、2級で約5,100語、準1級で約7,500語の単語の意味を理解しておくのが望ましいです。学校の教科書に載っている単語に加えて、該当する級をカバーした『英検出る順パス単』(旺文社)など市販の単語帳を利用して語彙力を上げましょう。

●何度も音声を聞いてリスニング対策をする
英語に慣れるために英検で実際に出題されている設問で、リスニング対策をするのも重要です。ただ聞き流すだけでなく、分からない部分はリスニングで読まれているスクリプトを必ず確認しておきましょう。またメモを素早く簡潔に取る練習が有効です。級・問題によっては英文が1度しか聞けない場合もあります。全体の概要を聞き取れるようにメモを取る練習をしておきましょう。

●面接の練習も欠かさない
日本国内に住んでいると実生活で英語を話す機会も少なく、筆記やリスニングに比べてスピーキングは苦手な人も多いかもしれません。ただ、スピーキングの出来は合否を左右する重要ポイントなので、苦手ならなおさら強化しなければならないスキルです。
まずは英語を聞き取れるように耳を慣らすところから始めてみましょう。リスニングの対策と同じく聞き取れない部分は確認する癖をつけてください。そして英語を話す力も大事です。表現力を磨くために、英語ができる身近な人(先生や塾の講師など)と話してみましょう。見えたものや感じたことをその場で英語で話すだけでも効果的です。そのとき、併せて発音にも注意してみてください。F・V・R ・THなどはとくに意識して練習しましょう。すると、口や舌も英語に慣れてきて、きれいに発音できるようになります。

●英作文は書きやすい日本語を基本の構成をはめ込んで書く
ライティングで出てくる英作文も苦手な人が多いかもしれません。文法や語彙の知識はもとより、何を書いていいのか分からないのではないでしょうか。最初は自分の意見・考えを日本語でまとめてみてください。まとまったらその意見・考えを出した理由を決めます。難しい日本語を英語するのはハードルが高いため、日本語の段階でより平易な表現で考えるのも英作文を攻略するコツです。とくに事象に対する賛否を問う問題は、自分の意見・考えにこだわりすぎず、英作文しやすい方を優先してみる判断も必要になります。
そして、日本語をもとに英作文するときは、構成を意識してください。結論を先に述べて、そのあとから理由や根拠を続け、最後にあらためて結論を述べる構成が基本です。基本の構成にはめ込むように書いたら、最後に読み返してチェックするのも忘れないようにしましょう。難しい言い回しや単語でミスするのを避けるため、正しく使える語句だけで書くのも重要です。

大学生・社会人になってからも英検は活きる資格

大学生・社会人になってからも英検は活きる資格

2018年度実施分では年間385万人以上の志願者が集まったことを紹介しましたが、そのうち約7万6000人が大学生、その他(小学生以下・中高生・大学生・専門学生以外)が約39万9000人と、大人になってから英検を受験する人も多いです。

中高生にとって入試での優遇がメリットなるように、大人の場合は仕事に就こうと思った際に英検を取っておくことが自分のアピールポイントになるのです。英検は何級でも自由に受けられます。あなたが中高生であっても、大学生以上のレベルを想定したより高い級にチャレンジしてよいのです。より高い級を受けたいと思っている人は、遠慮なくどんどんチャレンジしてみてください。

英検・受験指導専門家/朝倉浩之(あさくら ひろゆき)

監修:英検・受験指導専門家/朝倉浩之(あさくら ひろゆき)

短期間で学習の本質を伝え「やる気」を引き出す指導法で、大学生から小学生に至るまでこれまでに指導した生徒は3000人を超える。進学情報Webメディアでの掲載多数。 著書に『英検指導専門家が語る英検合格の秘儀』『 朝倉浩之の中学英語がまるごとスッキリわかる本―2019パーフェクト版』『海外旅行で「移動力」を高めてアクティブに活動する方法』がある。

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