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英語の三単現って何?三人称・単数・現在形の“s”を解説
三単現のときは動詞にsをつける。これが英語のルールです。ただ“三単現”が何なのかあなたは理解できていないかもしれません。三人称・単数・現在形の頭文字から名付けられた「三単現」がどういうルールなのかをおさらいしましょう。
三単現とは三人称・単数の主語で現在形の英文を書くときのルール
三単現とは、三人称・単数の主語を用いて、現在の時制における行動・状態をあらわす英文において動詞に“s”をつけるルールを指します。過去を表す英文では動詞の原形に“ed”がついたり、be動詞が主語におうじてisやareに変化したりするのと同様の基本的なルールとして覚えてしまいましょう。
三単現を使い分けるには「三人称・単数の主語を用いて、現在の時制における行動・状態をあらわす英文」がどういう文章なのかをしっかり理解する必要があります。三人称・単数・現在の時制をそれぞれ確認しましょう。
■三人称
三人称とは、一人称と二人称以外の人やものを指します。一人称とは私個人(I)や私を含む集団(we)、二人称とはコミュニケーションの相手個人や相手を含む集団(いずれもyou)です。それ以外では例えば下のような人やものを表す言葉が三人称に当たります。
---[三人称の名詞の例]---
he・she・John・it・they・children・my dog・my dogs
-----------------------------
■単数
上の三人称の言葉として「my dog」と「my dogs」を挙げましたが、「my dog」の場合の犬は1匹、「my dogs」は(具体的な数はわからないが)複数匹なのが分かるでしょうか。違いは名詞「dog」のあとに“s”がついているかいないかです。このように名詞が複数のものを指す場合は“s”をつけるのでした。つまり三単現の単数とは、複数ではなく、人やものの数量が1であることを意味します。
先述の“三人称の名詞の例”を単数か複数かで分けてみましょう。
---[三人称・単数の名詞の例]---
he・she・John・it・my dog
-----------------------------
---[三人称・複数の名詞の例]---
he・she・John・it・my dog
-----------------------------
■現在の時制(現在形)
時制は、英文で示している行動・状態がいつの時点のものなのかを示します。過去から未来へと一本で続く直線をイメージしてみましょう。“一年前の今日”や“昨日の夜9時”など過去にはいくつかの点がその上には存在します。未来も、“一年後の今日”や“明日の夜9時”のように同様です。しかし現在だけはたった一点しか存在しません。現在よりも昔であれば過去、先であれば未来だからとなります。つまり現在は基準なのです。
過去を表すために動詞のあとに“ed”をつけたり、未来を表すために助動詞のwillなどを用いたりして、あえて表現を変えるのでした。逆にいうと、現在における主語の行動や状態を表す際には、動詞は時制による変化を受けず、原形のまま使います。現在が基準であり、過去や未来が基準からズレたために表現が変更されていると捉えるとわかりやすいでしょう。
※時制は「過去進行形」をまとめた別記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてください。
三単現のsの付け方は語尾で変わる!
三人称・単数・現在形がおさらいできたところで、実際に三単現の条件に当てはまったときに動詞に“s”をつけるときの注意点を詳しく解説していきましょう。
■“s”を動詞に付けるケース
現在形が時制の基準になる旨を上で説明しましたが、動詞に“s”をつけるケースが三単現における基準といってもいいでしょう。下で説明する“es”や“ies”をつけるケースや、hasのように例外的に覚えなければならないケースが特異なのです。それらが変わっているのであって、基準どおりである「動詞に“s”をつけるケース」が「その他大勢」なのは説明不要ではないでしょうか。
■“es”を動詞に付けるケース
つづいて特異なケースを説明しましょう。まずは動詞に“es”を付けるケースです。このケースは「動詞の末尾がs・x・sh・ch・zの場合」と「動詞の末尾が[子音字+o]の場合」があてはまります。
*esを付ける動詞の例*
【動詞の末尾がs・ss・x・sh・ch・zの場合】
miss→misses、fix→fixes、finish→finishes、watch→watches
【動詞の末尾が[子音字+o]の場合】
go→goes、do→does
■“ies”を動詞に付けるケース
動詞の末尾が「子音字+y」の場合は、動詞に“ies”を付けます。子音字とは、母音字(a・i・u・e・o)以外の文字です。yをiに変えて語尾にesを付けましょう。
*iesを付ける動詞の例*
cry→cries、fly→flies、study→studies
■例外的に覚えるhas
es・iesのどちらにもある程度の規則性がありましたが、規則がなく例外的に覚えないといけない変化が英語ではたびたび登場します。三単現で登場するのが「have→has」の変化です。これから英語の勉強を進める上でほかにもこういった例外が登場します。言語学的な歴史・背景があるのかもしれませんが、中学の学習の範囲ではないため、いまの段階では“覚えるしかない”と思って覚えてしまいましょう。大学などに行ってから研究してみても良いかもしれません。
三単現の否定文・疑問文の作り方
“基準”という言葉が何度か出てきましたが、現在形と同じく、肯定文も基準のひとつです。肯定文を基準として、否定をしたり疑問を投げかけたりする場合は表現が変わります。三単現の場合はどのように変わるのかまとめてみましょう。
■三単現の否定文
否定文は、否定の意味を表す「not」をbe動詞や助動詞につけて示すのでした。肯定文では助動詞がかかれていないケースも多いです。その場合は助動詞「do」を補って「do not/don’t」と表記して否定文にします。
Tom likes soccer. (トムはサッカーが好きです)
上の肯定文は、三単現の条件に当てはまって動詞「like」に“s”がついています。こういった三単現の肯定文を否定文に書き換える場合、補う助動詞「do」に“es”をつけて「does not/doesn’t」とするのでした。また助動詞がある場合は、動詞は“s”をなくした原形に戻すのを忘れないようにしましょう。
Tom likes soccer.
Tom does not like soccer. (トムはサッカーが好きではありません)
■三単現の疑問文
疑問文の基本的な作り方は、助動詞を文章の頭にもってきて、文末の「.」の代わりに「?」を置くのでした。上の否定文の作り方で肯定文に助動詞を補うのを説明しましたが、助動詞が書かれていない肯定文を疑問文にする際には助動詞を登場されるのを覚えておきましょう。
Tom likes soccer.
Does Tom like soccer? (トムはサッカーが好きですか?)
また上の例文のように、WhatやWhoなどの疑問詞がない疑問文はYesかNoで回答します。その回答も三単現のルールが適用されて変更されるので注意しましょう。「Yes, he does.」か「No, he does not(doesn’t).」となります。
三単現のsに関する練習問題
ルールが確認できてところで、練習問題に挑戦しましょう。基礎問題と応用問題を用意しました。解答は記事の最後にあります。一度解いてから答え合わせをしてみてください。
■基礎問題
①次の動詞の三人称単数現在形を書きなさい。
(1)like 〜が好きだ
(2)run 走る
(3)play (スポーツ)をする
(4)go 行く
(5)watch 〜を見る
(6)carry 〜を運ぶ
(7)study 〜を勉強する
(8)have 〜を持っている
②次の日本文にあう英文になるように、下線部に適する語を書きなさい。
(1)彼女は毎日、テレビを見ます。
She ___ TV every day.
(2)彼は学校で中国語を勉強します。
He ___ Chinese at school.
(3)私のおじはサッカーが大好きです。
My uncle ___ soccer very much.
(4)由美は大きなかばんを持っています。
Yumi ___ a big bag.
(5)トムのイヌはとても速く走ります。
Tom’s dog ___ very fast.
(6)私の姉は自転車で学校へ行きます。
My sister ___ to school by bike.
■応用問題
③次の日本文にあう英文になるように、( )内の語を並べかえ、全文を書きなさい。
(1)あの船は自動車を運びます。
( carries / that / cars / ship / . )
(2)ボブは毎日、日本語を勉強します。
Bob ( Japanese / every / studies /day ).
(3)この列車はとても速く走ります。
( runs / fast / this / very / train / . )
(4)彼は毎週日曜日にサッカーをします。
( every / plays / he / soccer ) Sunday.
(5)彼女は英語が大好きです。
( English / much / likes / she /very / . )
(6)私の弟は夕食後にテレビを見ます。
My ( TV / dinner / watches / after / brother ).
④次の日本文を英文にしなさい。
(1)彼は毎週日曜日にサッカーをします。
(2)ブラウン先生(Mr. Brown)は車で学校へ行きます。
(3)ボブは毎日、日本語を勉強します。
(4)美香はすてきな自転車を持っています。
三単現のsの付け忘れには常に警戒
練習問題を解いてみて、三単現は意外と簡単に思えた人もいるのではないでしょうか。ただ三単現の問題で三単現について聞かれていると注意できていたら簡単に思えただけかもしれません。いきなり出てきて警戒していなければ、三単現のsを付け忘れてしまうのが予想できます。多くの場面で登場するルールですので常に警戒して英文と向き合うようにしてください。
[練習問題の解答]
*基礎問題*
①(1)likes (2)runs (3)plays (4)goes (5)watches (6)carries (7)studies (8)has
②(1)watches (2)studies (3)likes (4)has (5)runs (6)goes
*応用問題*
③(1)That ship carries cars. (2)Bob studies Japanese every day. (3)This train runs very fast. (4)He plays soccer every Sunday. (5)She likes English very much. (6)My brother watches TV after dinner.
④(1)He plays soccer every Sunday. (2)Mr. Brown goes to school by car. (3)Bob studies Japanese every day. (4)Mika has a nice bike.