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小論文攻略のため、世界で起きている「異常気象」に迫ってみよう
小論文の対策、なにかしていますか? 過去問をもとに文章を書く練習も大切ですが、最新の時事問題について情報を収集しておくのも有効な対策でしょう。さて、今年の夏は「最高気温が40度を記録する暑さ」や「バケツをひっくり返したような局地的な短時間豪雨」など、「天気」がなにかと話題です。そこで今回は、日本のみならず世界で起きている異常気象についてまとめてみましょう。
平成最後は猛暑の夏。日本を襲う猛暑と豪雨の原因とは?
今年の夏、日本各地が「猛暑」と「豪雨」に襲われています。
以前から暑いことで有名な岐阜県多治見市や埼玉県熊谷市はもとより、東京都内でも史上初となる最高気温40度超えを記録しました。日本全国がうだるような暑さに覆われており、熱中症で倒れてしまう人も続出しています。
また、6月末から7月頭にかけては「平成30年7月豪雨」が西日本を中心に猛威を振るい、200人を超える方が犠牲となるなど「特定非常災害」と認定されるほどの大きな被害を出しました。
これらの猛暑と豪雨には、以下のような複数の気象的要因の存在が指摘されています。
<猛暑の要因>
●太平洋高気圧と上空のチベット高気圧の2つの背の高い高気圧に覆われたため、晴れの日が続いたこと。
●関東地方や東海地方の40度超えについては、晴れて気温が上がったうえに、フェーン現象(気流が山を越える際に、暖かくて乾いた下降気流となりその付近の気温が上がる現象)が重なったこと。
●都市化によるヒートアイランド現象により夜間の気温が下がりにくくなってきていること。
<西日本での豪雨の要因>
●台風起源の暖かく湿った空気が流れ込み、西日本付近に停滞していた前線の活発化を引き起こしたこと。
これらのとおり、いくつもの要因が相次いだり、重なり合ったりしてしまったために、今年の夏は異常気象となってしまっていると言われているのです。
日本だけではない!世界で発生している異常気象
異常気象に頭を悩ませているのは日本だけではありません。今年の夏は世界各国で異常気象が頻発しています。
7月には、北アフリカのアルジェリアでは5日に最高気温が51.3度に到達。さらに、8日はアメリカ ・カリフォルニア州にあるデスバレー 国立公園で最高気温52度を記録しました 。その一方で、 同じ北アメリカ大陸のカナダでは季節が逆戻りし、気温が氷点下1度まで下がって、降雪まで観測された地域もありました。8月に入っても、2日にはモロッコで最高気温が44度を観測するなど、各地で異常気象が報告されました。
これらを受けてWMO(World Meteorological Organization:世界気象機関)は「北半球で異常な高温や豪雨、干ばつが起きるなど、異常気象が起きている」と警鐘を鳴らすなど、まさに世界レベルでこれまでにない異常事態となっているのです。
日本と世界を襲う異常気象、背景の一つに「地球温暖化」
地球規模で発生している異常気象。その原因の一つとして「地球温暖化」が挙げられます。
地球温暖化によって、100年間で地球の平均気温は約0.74℃上昇、海面水温は約0.54℃上昇しているとされています。平均気温の上昇は特に北半球で顕著であり、これは今年の異常な暑さが北半球の国で発生していることと辻褄が合います。
また、平均気温に加えて海面水温の上昇にも注視しなければいけません。海面水温の上昇により大気中に含まれる水分量が増加することで、これまでにない大雨を引き起こしやすい状況を生み出していると考えられ、日本で近年発生している豪雨や豪雪もこれが原因と見ることができるからです。
気象は身近な科学。地球に起こっている現象を調べて小論文を攻略!!
地球温暖化以外にも、先に挙げた「ヒートアイランド現象」のように、人間の生活は「気象」に大きな影響を与えています。地球の気象は様々な要素が複雑に絡み合って形作られているので、少しでもバランスが崩れてしまうと、気象全体に影響が波及してしまい世界規模の異常気象を引き起こしてしまいます。
反対に、地球にとっては小さな異常であっても、私たち人間にとっては大きな影響となってしまい、私たちの生活を変化させてしまいます。例えば、数年前までは夏に行うのが当たり前であった運動会も、今では前倒しして5月や6月に行う学校が少なくありません。今はまだ屋外の甲子園球場で行われる夏の高校野球も、将来的にはドーム球場で行うようになるかもしれないのです。みなさんもこの夏、小論文対策の一つとして「気象」の勉強をしてみて、地球に起きている変化について考えてみるのはいかがでしょうか。
監修:小櫃 美月(おびつ みづき)
株式会社ライフビジネスウェザー所属 気象予報士・防災士
2015年から(株)ライフビジネスウェザーで気象予報業務に携わる。