夏の部活でご用心! 暑くなる前の6月に学んでおきたい「熱中症」対策

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夏の部活でご用心! 暑くなる前の6月に学んでおきたい「熱中症」対策

中学生その他 2019.06.18

2019年の夏も40℃を超える真夏日が続くのでしょうか。2019年5月26日に北海道で39.5℃と国内での最高気温を記録して話題になったように、今年も季節外れの夏日がすでに見られています。
暑くなってくると心配なのが「熱中症」です。体育や部活動として暑い中でも身体を動かす機会が多い中学生は気をつけましょう。もし自分や友達が熱中症にかかってしまったらどう対処すればよいのか、熱中症に関する基本的な知識や予防方法を勉強していきましょう。

熱中症にかかりやすい状況と症状を確認しよう

熱中症にかかりやすい状況と症状を確認しよう

熱中症の基本知識をまとめましょう。知っておくと、熱中症の予防や対処方法も理解しやすくなります。

●熱中症の症状
熱中症の症状はおおよそ以下のように分類されます。症状が重くなると命にも関わる危険な病気です。「たかが熱中症」と思わずに、事前の予防と起きたときの適切な対処が重要です。下のものほど重症度が増します。
・熱けいれん・・・手足の筋肉がつる/筋肉痛が起きる
・熱失神・・・めまいがする/顔が青白くなる/ひどいと一時的に失神する
・熱疲労・・・全身がだるく感じる/集中力が低下する/頭痛が起きる/体温が急激に上昇する
・熱射病・・・言動が不自然になる/ふらつく/意識障害が起きる

●熱中症にかかりやすい状況
熱中症は、真夏の炎天下に限らずさまざまな状況でかかる病気です。以下の条件が重なると熱中症にかかりやすくなるので注意が必要です。
【環境条件】
・気温が高く、湿度も高い
・日差しが強く、風が弱い
・急に気温が高くなった
【からだの状態】
・激しく運動をして汗をかいている
・まだ暑さに慣れていない
・疲れや寝不足で体調がよくない
もっとも気をつけたいのは、気温が高くなって30度を超える日が多くなる真夏の時期です。さらに梅雨の時期も湿度が高くなりやすく、晴れて気温が上がると熱中症の危険性が高まるので注意しましょう。

熱中症かな?と感じたら体を冷やして水分と塩分を補給

熱中症かな?と感じたら体を冷やして水分と塩分を補給

初期症状として立ちくらみや大量発汗、筋肉痛、こむら返りがみられます。これらの症状で熱中症かもしれないと感じたら、無理をせずに下の応急処置を行ってください。友達の様子がおかしいときも、すぐに熱中症を疑って処置をするよう声をかけたり、手伝ったりしてあげましょう。もちろん、先生などの周りの大人に助けを求めることも大事です。

●涼しい場所に移動する
熱中症は体温の上がりすぎによって引き起こされます。まずは体温を下げるために、風通しのよい日陰や冷房の効いた屋内などの涼しい場所に移動してください。具合の悪くなった友達を移動する場合はしっかりと体を支えながら移動しましょう。

●体を冷やす
首、脇の下、足の付け根などをできるだけ早く冷やしましょう。氷や水でぬらしたタオルを当てるだけでも体温は下がります。衣服をゆるめて身体から熱が放散されるのを促すのも効果的です。誰かと一緒にいるときは、うちわや下敷きであおいで風を送ってもらうとよいでしょう。ただし、体温が下がりすぎないようにも注意してください。

●スポーツドリンクで水分と塩分をとる
熱中症改善のためには、水分と塩分をバランスよく補給する必要があります。スポーツドリンクは水分と塩分がバランスよく含まれているので有効です。手に入る場合は、体内から冷やすために、なるべく冷温のものを摂取した方がよいでしょう。もしスポーツドリンクがない場合は、水1リットルに対して1~2gほどの食塩を加えた食塩水でも代用できます。水を飲むのと合わせて塩アメや塩分補給タブレット、梅干しなどを口にするのでもよいでしょう。水しかない場合は、ひとまず水を飲んで脱水症状をケアしてください。あとからになったとしても忘れずに塩分を含んだ食品も摂取しましょう。

部活動のときの水分・塩分補給はもちろん、日頃の疲れをためないことも熱中症対策

部活動のときの水分・塩分補給はもちろん、日頃の疲れをためないことも熱中症対策

気温や湿度が高くて熱中症の危険性がある日は、麻や綿でできた通気性と吸水性の良い衣服や下着を選ぶとよいでしょう。のどが乾いたと感じる前にこまめに水分を補給するように意識してください。

また身体が疲れている状態だと熱中症の危険性も上がります。日頃から寝不足に気をつけて、身体に疲れをためこまないのも熱中症対策のひとつです。熱中症は運動神経や身体の強さに関係なく、誰もがかかる可能性のある病気です。自分は大丈夫だと過信せず、熱中症にならないように対策をしておきましょう。

道川内科クリニック/院長・道川尚彦

監修:道川内科クリニック/院長・道川尚彦

東京都台東区にて内科・循環器科・血液内科の診療を行う。先代から当院を引き継いで6年目。地元の患者さんを診察するほか、看護学校で教鞭をふるうなど、地域医療の発展に努める。日本内科学会認定内科医。総合内科専門医。日本血液内科学会専門医。下谷医師会理事。 東京都台東区入谷2丁目24−11 TEL:03-3873-1271