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食事やおやつのあとは歯をみがこう!小学生が知りたい「ハミガキ」のポイント
歯がいたい。みなさんのなかにも歯に穴が開いていたり歯茎(はぐき)がしみたりして困っている人がいるかもしれません。なにかを食べて口のなかに食べもののカスが残っていると、「虫歯」や「歯肉炎(しにくえん)」などの病気になる危険性が高まります。口のなかや歯やの病気を防ぐのに有効なのが、みなさんも毎日やっている「ハミガキ」です。みなさんの歯や口をキレイで健康に保つ正しいハミガキの仕方がどのようなものなのか、まとめてみましょう。
口のなかの食べカスは、それをエサにするバイキンのすみか!ハミガキでヌルヌルをなくす!
どうしてハミガキをするのか知らない人もいるかもしれません。そんな人は、歯の表面を舌でなめてみましょう。すると、ヌルヌル・ザラザラしているところはありませんか? それは「歯垢(しこう)」と呼ばれる、細菌(さいきん)のかたまりなのです。
生ゴミを置いたままにしていて、ヌルヌルした液体が出ているのを見た経験はないでしょうか。みなさんが食べたものも、歯の間につまって口のなかに残ったままになっていると、生ゴミと同じようにヌルヌルした状態を細菌が作りはじめます。歯垢はみなさんの歯を虫歯にしてしまう悪者です。だから、ハミガキをして歯垢を取り除かなければなりません。
小学生は歯が生え変わる時期。あまいものが好きな人は要注意!
1年生になるくらいから歯が生え変わりはじめます。歯がグラグラしてきたり歯が抜けたり大人の歯が生えたりで口のなかもどんどん変わっていきますが、磨き残しはなくさなければなりません。ブラシはもちろん、糸式ようじ(デンタルフロス)も使って、歯垢を取り除きましょう。
また生え変わったばかりの歯はやわらかく、虫歯になりやすいです。とくに甘いおやつやジュースが好きな人は注意しなければなりません。歯垢のなかにいる「ミュータンス菌」が歯をとかす酸(さん)をつくるのですが、おやつのあまみのもとである“糖分(とうぶん)”が酸の材料に使われてしまいます。そのためあまいものを食べたあとは、糖分が口に残らないように、ハミガキをする必要があるのです。
ハミガキ粉はよごれ落ちをたすけ虫歯も予防。100gの軽い力で3分間以上みがこう
では、正しい歯のみがき方を説明します。汚れが落ちやすくなりフッ素によって虫歯の予防効果がえられるので、ハミガキ粉をまずはブラシにつけましょう。大豆ぐらいの大きさが目安です。
ブラシはエンピツと同じように持ちます。歯や歯茎にブラシを当てるときも、毛先がつぶれた状態ではみがく力が落ちてしまうのでよくありません。毛先がつぶれないぐらい(100gほど)の軽い力でブラシの毛先を歯や歯茎に当て、5〜10mmほどの小刻みに動かします。一ヶ所(1〜2歯ずつ)を20回程度、横方向にみがいていきましょう。合計3分以上みがくのが目標です。
生え変わっている最中のみなさんの歯は、でこぼこしていたり背が低い歯が混じっていたりするかもしれません。ブラシの向きを変えたり口の開き方を工夫したりしつつ、毛先がどのような歯にも当たるように鏡を見ながら行えばみがき残しもなくせるでしょう。
ヘッドが小さい・やわらかい毛のブラシを!ひと月に1回は交換
小さい歯もしっかりみがけるように、ブラシはヘッドが小さいものを選ぶとよいでしょう。ふつう・やわらかめ・かためと毛のかたさもありますが、やわらかめのタイプで丁寧(ていねい)にみがくと、歯や歯茎が傷つく心配も少なくなります。
またブラシは定期的に交換(こうかん)が必要です。使い続けていると毛先が広がってしまい、歯垢を落とす力も弱くなってしまいます。ひと月に1〜2回ぐらいの交換がのぞましいといわれているほか、広がった毛先がヘッドの後ろ側から見えるようであれば交換時期です。親御さんにお願いして新しいものを用意してもらいましょう。
歯の問題は自分で解決できない。歯医者さんに相談しよう!
ハミガキをしっかりしていたとしても、もし歯が痛くなったり穴が開いていたりした場合は歯医者さんに通う必要があります。虫歯は風邪のように自然に治りません。ガマンせずに、親御さんに早めに相談しましょう。
ほかにも歯茎がブヨブヨになっている・ハミガキをしていると血が出たり痛かったりする場合は歯肉炎などほかの病気かもしれません。さらに歯並びや出っ歯(でっぱ)・八重歯(やえば)でなやんでいる人もいるでしょう。歯のなやみは自分で解決するのが難しいです。一人でなやまずに早く歯医者さんに行きましょう。
監修:なごみ小児歯科クリニック/院長 桑田敬子
朝日大学 歯学部卒業時に歯科医師免許証を取得。大阪大学歯学部附属病院や宝塚こども歯科(兵庫県)などにて勤務ののち東京都品川区の戸越銀座商店街に小児専門歯科クリニックとして「なごみ小児歯科クリニック」を開院。虫歯予防や筋機能訓練をもちいた矯正治療など最新技術の提供はもちろん、お子さんがくつろいで治療に集中できる環境づくりに勤しむ。